エンバカデロテクノロジーズは、RAD Studio、Delphi、C++Builder 12 Athens向けのPatch 1をリリースしました。

このパッチは、主に IDE、Delphi 64 ビットコンパイラ、FireMonkey、VCL、および URI 処理に関連する RAD Studio 12 のいくつかの問題に対処しています。RAD Studio 12 Athens をご使用のお客様は、このパッチのインストールを強くお勧めします。

アップデートサブスクリプションをご利用のお客様は、GetItパッケージマネージャ経由でのインストール、またはカスタマーポータル(my.embarcadero.com)のダウンロードサイトから入手できます。

このブログでは、Embarcadero Quality Portalで修正された問題の一覧とパッチのインストール方法について説明いたします。

GetItパッケージマネージャ経由でのインストール

IDE を起動した際 (または次回の ウェルカムページの更新時)、RAD Studio12のウェルカムページ に「パッチが利用可能です」というアイコンが表示されます。

このアイコンを選択(クリック)するか、GetItパッケージマネージャを開いて「Patches and Hotfixes」の項目を選択すると、下図のようにRAD Studio 12 Patch 1 1.0 が表示されます。

このパッチは、遅延インストールパッケージとして提供されているため、IDEを終了した後で、実際にインストールが実施される仕組みをとっています。（再起動を促されますが、後回しにしても構いません）。

IDEの終了後、インストールプロセスが開始され、コマンドプロンプト(要 UAC)が表示されます。ダウンロードするパッチのファイルサイズは約160MBありますので、下図のコンソールウィンドウ（IDEがシャットダウンしたときに開く）からのダウンロードには時間がかかります。

パッチをGetIt 経由でダウンロードした場合は、自動的にインストールされ、RAD Studio製品のインストールフォルダ(デフォルトでは、C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥23.0)配下にインストール時のタイムスタンプが記されたフォルダが作成されます。以下はその例です。

C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥23.0¥_patch-backup¥2024-02-08 08.07.05

上記のフォルダ内には置き換えられたファイルのバックアップやインストールログが保管されます。

手動によるインストール

このパッチは、カスタマーポータル(my.embarcadero.com)からも入手できます。(ダウンロード一覧の表示方法がわからない場合は、こちらをご参照ください)

ZIP ファイルをダウンロードして展開した後、12 Patch1をインストールするためには、RAD Studio 12 IDEを終了し、展開したフォルダ内のpatch.R120.patch1_install.batファイルを実行してください。

または、R120.patch1.zipを手動で展開し、RAD Studioのインストールフォルダ(デフォルトでは、C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥23.0)以下へそれぞれのサブフォルダごと上書きしてください。

(手動で展開する場合は、事前に置き換え対象ファイルをバックアップしておくことをお勧めいたします)

パッチのアンインストール手順

• 1. RAD Studioを終了
• 2a. GetIt経由でインストールしている場合、Catalog Repositoryフォルダ(C:¥Users¥<ログイン名>¥Documents¥Embarcadero¥Studio¥23.0¥CatalogRepository¥12Patch-Patch1)フォルダへ移動
• 2b. 手動でインストールしている場合、前節「手動によるインストール」で展開したR120.patch1.zipフォルダを開く
• 3. patch.R120.patch1_uninstall.batファイルを実行
• 4. GetIt経由でインストールしている場合は、GetItパッケージマネージャからを「RAD Studio 12 Patch 1 1.0」をアンインストール

RAD Studio 12 Patch 1で解決されたQuality Portalの問題

(現在、Quality Portalへのアクセスは読み取り専用モードとなっており、新しいケースはポストできませんので、ご注意ください。）

• RSP-44063 Bug in MOD operation for Win64 Release configuration
• RSP-43656 [REGRESSION] Wrong codegen when passing empty open array to operator overload
• RSP-43568 Issue with TURI.Query Changed adding an equal sign to the URL ends with ?WSDL
• RSP-43551 When MDI form & Custom Styles are used together, the Process cannot be terminated.
• RSP-43547 New VisualManager feature causes crash in TCustomForm.WndProc() with Action=caFree
• RSP-43515 No event OnCameraDidFinishTaking for TTakePhotoFromCameraAction
• RSP-43494 Event OnValidate fails when the DBGrid is full – AGAIN!
• RSP-43463 JSON serialization error with scientific double notation
• RSP-43459 TEdit.FilterChar crash app on Android
• RSP-43422 NetHttpClient parsing URL parameters is incorrect
• RSP-43418 Wrong Delphi code optimization for integer div/mod
• RSP-43407 The Delphi compiler in RAD Studio 12 is no longer able to resolve standard types by their aliases when generates HPP files for a BPL package with components if the referenced types are declared in other units
• RSP-43383 Delphi 12 Android TEdit error
• RSP-43362 [iOS] TListView set search visible to True, the system will crash when clicking into the search area.
• RSP-43326 Blob reading is broken for 64-bit platforms in dbExpress
• RSP-43318 Incorrect ShortCut in TActionList
• RSP-43311 TSQLTimeStampOffset problems with Firebird 4
• RSP-43299 TFlowLayout exception when all its elements are set to invisible
• RSP-43274 Arithmetic operations on record fields return incorrect results in certain cases if the “Optimization” compiler option is enabled
• RSP-43235 Structure view and Search for a method box no longer populated
• RSP-43007 Internal compiler error F2084
• RSP-42860 FMX TListBox List Index Out OF Bounds
• RSP-42692 Ctrl-j – invoke template don’t work
• RSP-42682 TreeView crash
• RSP-42657 TTreeview crashes when scrolling in iOS
• RSP-42634 QBE component causes fatal IDE crash when removed from form
• RSP-42616 FMX: Key Handling different behavior in Delphi 12
• RSP-42601 TURI with encoded Params are mangled when initialized

このパッチでは、その他の重複する問題や、エンバカデロ内部で報告されたケースやサポートケースで修正されている以下の問題も含みます。

• Android デバイスでライブラリから写真を撮影しようとすると、アプリケーションが予期せずクラッシュする。
• エディタの “SURROUND “メニューにコンテンツがない。
• VCL プロジェクト / Windows 32 ビットプラットフォームの Edit1->Text プロパティのデバッガ評価