エンバカデロテクノロジーズは、RAD Studio、Delphi、C++Builder 12.1 Athens向けのPatch1をリリースしました。
このパッチは、RAD Studio 12.1に関するいくつかの問題、IDEの新しい分割エディタ表示機能、パッケージのビルド時のDelphi 64ビットコンパイラ、デバッグ、文字列に関する問題に対処しています。 RAD Studio 12.1 Athens をご使用のお客様は、このパッチのインストールを強くお勧めします。
このパッチのダウンロードは約517MBです。
アップデートサブスクリプションをご利用のお客様は、GetItパッケージマネージャ経由でのインストール、またはカスタマーポータル(my.embarcadero.com)のダウンロードサイトから入手できます。
Table of Contents
GetItパッケージマネージャ経由でのインストール
IDE を起動した際 (または次回の ウェルカムページの更新時)、RAD Studio12のウェルカムページ に「パッチが利用可能です」というアイコンが表示されます。
このアイコンを選択(クリック)するか、GetItパッケージマネージャを開いて「Patches and Hotfixes」の項目を選択すると、下図のようにRAD Studio 12.1 Patch 1 1.0 が表示されます。
このパッチは、遅延インストールパッケージとして提供されているため、IDEを終了した後で、実際にインストールが実施される仕組みをとっています。(再起動を促されますが、後回しにしても構いません)。
IDEの終了後、インストールプロセスが開始され、コマンドプロンプト(要 UAC)が表示されます。ダウンロードするパッチのファイルサイズは約517MBありますので、下図のコンソールウィンドウ(IDEがシャットダウンしたときに開く)からのダウンロードには時間がかかります。
パッチをGetIt 経由でダウンロードした場合は、自動的にインストールされ、RAD Studio製品のインストールフォルダ(デフォルトでは、C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥23.0)配下にインストール時のタイムスタンプが記されたフォルダが作成されます。以下はその例です。
C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥23.0¥_patch-backup¥2024-04-18 07.01.46
上記のフォルダ内には置き換えられたファイルのバックアップやインストールログが保管されます。
手動によるインストール
12.1 Patch1は、カスタマーポータル(my.embarcadero.com)からも入手できます。(ダウンロード一覧の表示方法がわからない場合は、こちらをご参照ください)
R121.patch1-20240417-2.zipファイルをダウンロードして展開した後、12.1 Patch1をインストールするためには、RAD Studio 12 IDEを終了し、展開したフォルダ内のpatch.R121.patch1_install.batファイルを実行してください。
または、R121.patch1-20240417-2フォルダ内のR121.patch1.zipを手動で展開し、RAD Studioのインストールフォルダ(デフォルトでは、C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥23.0)以下へそれぞれのサブフォルダごと上書きしてください。
(手動で展開する場合は、事前に置き換え対象ファイルをバックアップしておくことをお勧めいたします)
パッチのアンインストール手順
- 1. RAD Studioを終了
- 2a. GetIt経由でインストールしている場合、Catalog Repositoryフォルダ(C:¥Users¥<ログイン名>¥Documents¥Embarcadero¥Studio¥23.0¥CatalogRepository¥121Patch-Patch1)フォルダへ移動
- 2b. 手動でインストールしている場合、前節「手動によるインストール」で展開したR121.patch1-20240417-2.zipフォルダを開く
- 3. patch.R121.patch1_uninstall.batファイルを実行
- 4. GetIt経由でインストールしている場合は、GetItパッケージマネージャからを「RAD Studio 12.1 Patch 1 1.0」をアンインストール
PAServerのインストール
12.1 Patch1には、更新されたPAServerが含まれております。GetIt経由あるいは手動によるインストールのどちらの方法を選択された場合でも、PAServerはターゲットPCへ手動でインストールいただく必要があります。
更新されたPAServerは、以下のパスへ配置されています。
C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥23.0¥PAServer
各プラットホーム(OS)へのインストール手順は、以下のdocwikiをご参照ください。
Delphi Win64パッケージに関するお知らせ
12.1 Pacth1は、Windows 64 プラットフォーム向けにビルドされた Delphi パッケージによってエクスポートされるシンボルを修正し、12.1 で導入された問題に対処しています。アンダースコア1文字のユニット名を含むパッケージや、他のパッケージでアンダースコア1文字のユニットを参照しているパッケージで、12.1のRTMバージョンでビルドされたものは、ドット記法を使用したユニット名と衝突する可能性があります。この問題はPacth1で対処しましたが、最終的な影響として12.1 RTMバージョンでビルドされたパッケージを使用すると、12.1 Patch1を適用した後にビルドされたコードとの互換性の問題が発生する可能性があります。サードパーティのベンダーまたは開発者が、12.1でビルドされたDelphi Win64パッケージのバイナリを、このパッチを適用してビルドされたバージョンで更新することを推奨します。この問題は12.0でビルドされたDelphi Win64パッケージには必要ありません。実際、このパッチに含まれるコンパイラは、12.0 コンパイラとの互換性が向上しています。
12.1 Patch1で修正された問題
12. 1 Patch1で修正された問題は、新しいEmbarcadero Quality Portalで報告されています。アカウントの作成方法の詳細については、こちらのブログを参照してください。
- RSS-574 [dcc32 Fatal Error] PythonFmx.dpk(70): Internal Error: AV00B5992F-R0000014C-0
- RSS-536 Delphi 64-bit DPK compilation problem
- RSS-497 F2084 Internal Error: NI5166
- RSS-447 F2084 Internal Error: compiling Win64 Package
- RSS-425 Error F2084: Interner Fehler: AV006A992F-R0000014C-0
- RSS-391 String with non-ASCII characters directly attached to a #xx or #$xx literal corrupts the final string
- RSP-40084 StringTable and LoadStr
さらにPatch1では、2つのベータレポート(現時点では一般公開されていません)の問題に対処しています。
- エディタ分割後に “Move Designer “をクリックするとゼロで除算される
- オブジェクトインスペクタ経由で TPopupMenu にアクションを割り当てると rtl290.bpl でクラッシュする
このパッチでは、その他の重複する問題や、エンバカデロ内部で報告されたケースやサポートケースで修正されている以下の問題も含みます。
- iOS: デバッグ(Ctrl+Shift+F9)なしでアプリケーションを実行できない
- macOS: Edit1.Text + ‘abc’を評価できない
- 分割コードエディタ: 追加の右エディタを閉じると、左エディタがデザインタブに切り替わる
- 分割コードエディタ: メニューからエディタタブを選択する際の問題
- 分割コードエディタ: 分割コード エディタを使用した後に新規プロジェクトを作成すると、IDE で AV が表示される。
- エディタタブグループのタイトルバーが正しく描画されない問題
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