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RAD Studio 10.4.2: IDEの機能改善

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RAD Studio 10.4.2がリリースされました。新機能に加え、大幅な品質改善が加えられた新リリースは、10.4 Sydneyと10.4.1の品質向上にフォーカスしたリリースをベースとしています。RAD Studio 10.4.2では、多くの開発者の生産性にフォーカスを置いた機能強化が行われております。このブログでは、10.4.2で改善されたIDEの機能にフォーカスして紹介いたします。

複数のIDEウィンドウで同時にフォームの設計とコーディングが可能に!

10.4.2よりも前のバージョンでは、フォームの設計とコーティングはどちらか片方しか行えず、さらにフォームとコードエディタの切り替えは、フォームデザイナの右下にある[コード/デザイン]タブ等で切り替える必要がありました。

RAD Studio 10.4.2では、複数のIDEウィンドウにより、同じユニットの設計とコーディングが同時に行えるようになりました。

フォームデザイナで、任意のフォームのタブを選択し、右クリックするとポップアップメニューが表示されます。

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ポップアップメニューの[新規編集ウィンドウ]を選択すると、コードエディタが新しく独立した別のウィンドウとして表示されます。

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最近では、マルチモニターを利用する開発者も増加したため、同じユニットの設計とコーディングが同時に行えるようになったことで、メインモニタにコードエディタを、セカンダリモニタにフォームをそれぞれ配置させ、同時に編集することが可能です。

この改善は、従来のように1つのモニターを利用するケースでも、非常に利便性が高く、とても喜しい機能と言えます。

新しいIDEスタイル「マウンテンミスト」

10.4.2では、従来の「ライト」および「ダーク」の2つのテーマに加えて、新しく「マウンテンミスト」というテーマが追加されました。

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マウンテンミストは、従来のIDEカラー(古いバージョンのDelphiなど)を模したスタイルで、昔からDelphi/C++Builderをご利用しているお客様もお馴染みの外観が帰ってきました!

リモートデスクトップ上での動作改善

最近はテレワークの普及によって、VPN経由で企業ネットワークへリモート接続する需要が増えており、それに伴って開発者がリモートデスクトップを頻繁に利用する機会も増えています。

RAD Studio 10.4.2では、リモートデスクトップ上での動作のパフォーマンス向上を目的とした機能改善が行われております。

詳しくは、こちらを参照ください。

ファイルの行末コードの正規化

RAD Studio 10.4.2では、LFとCR/LFの行末が混在するソースコードに対してCR/LFに正規化する機能が追加されています。

この機能が新しく追加されるきっかけになったのは、GitHubリポジトリからサンプルプロジェクトをダウンロードした際に、プロジェクト内のソースコードの行末がRAD Studioの期待するCR/LFではない場合、ソースコードを編集するとIDEの一部の機能に支障が出るというものでした。

詳しくは、こちらを参照ください。

Windowsの行末コードはCR/LFmacOS/linuxの行末コードはLFが一般的なため、GitHubのようにマルチプラットホーム環境で編集されたソースコードがアップロードされている場合は、LFとCR/LFの行末コードが混在するソースファイルが散在する可能性があり、GitHubのソースコードのdiffをとる場合でもこの行末コードで問題が生じます。

そこで、この行末コードの問題に対処するため10.4.2では新しくオプションが用意されています。

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一貫性のない行末に対して選択できるオプションは、

  • 維持する
  • すべてのファイルをCRLFに変換する
  • 既知の拡張子のファイルをCRLFに変換する
  • 確認する

となります。

[維持する]は、そのままの行末コードを維持します。

[確認する]は、もし一貫性のない行末コードを含むソースファイルをIDEで開くと、下図のようにメッセージダイアログが表示され、CRLFに変換するか促されます。

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残り2つのオプションは、条件に従い、強制的にソースコードの行末をCRLFに変換します。

長時間の操作中にIDEの進行状況ダイアログを表示

10.4.2では、IDEが長めの操作(例えば、大きなプロジェクト グループを開くなど)を行っている間、現在どんなファイルを開いているのか、どんな設定を読み込んでいるのか、時間のかかる操作中にIDEの実行内容を示す新しい進捗ダイアログを表示することで、IDEの応答性を向上させました。

これは、大きなブロジェクトを開いた時や重い操作を行ったときに、IDEがあたかもフリーズしているようにユーザーには感じられることがあるため、それをもっとユーザーへ「見える化」するための改善です。

下図のように10.4.2では、進捗状況を示すダイアログが表示されます。

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IDE/プロジェクトの環境変数パスを絶対パスに変換する機能のサポート

10.4.2では、DelphiやC++BuilderなどのIDEの環境設定が参照するライブラリパスやソースコードを参照するパスに対して、IDEメニューの[ツール]-[オプション]-[IDE]-[環境変数]で設定されている$(BDS)や$(BDSLib)、そして$(Platform)といった環境変数を絶対パスに変換する機能が追加されました。

この機能によって、IDEやプロジェクトの設定をRAD Studioのシステム/ユーザー環境変数に依存しない設定に変更できます。

以下は、DelphiのWindows 64ビットのライブラリパスに設定されているパスを絶対パスに変更する例です。

通常であれば、下図のようにそれぞれのパスの設定は$(BDS)や$(BDSLIB)といった環境変数を参照しています。

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10.4.2では、[タスク]というメニューが新しく追加されており、選択したメニューによって環境変数の展開が反映されます。

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例えば、ここで[選択したものを環境変数から展開]を選択すると

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上図のようにIDEの環境変数として設定されている$(BDSLIB)や$(Platform)などの環境変数を絶対パスに置き換えます。

この新しい機能は、多くのサードパーティコンポーネントを含む大規模なアプリケーションの複雑なレイアウトを管理する場合や、将来新しいIDE バージョンにアップグレードされるプロジェクトを構成する場合にも役立ちます。

さらに開発チーム(複数の開発者間)で、プロジェクトを共有している場合、利用するRAD Studioの環境設定や製品のバージョンなどで参照しているパスが変わってしまうことを回避する目的があります。これはかねてより ユーザーから要望をいただいている機能を反映した改善の一つです。

一部のダイアログの表示などの改善

あまり大きな変更ではありませんが、[オプション]、[ソースブレークポイント]、[コンパイル]といった既存のダイアログの表示やレイアウトなどが改善されました。

ここでは、一部のダイアログに関して変更された点を紹介いたします。下図は、[コンパイル]ダイアログの変更です。

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軽微な修正ですが、コンパイルした結果のメッセージが変更され、よりコンパイルした結果がわかりやすくなっています。

[新しいアイテム]ダイアログにテンプレート/リポジトリにアクセスするボタンの追加

これは軽微な修正ですが、IDEメニューの[ファイル]-[新規作成]-[その他]で表示される[新しいアイテム]ダイアログに、テンプレートライブラリとオブジェクトリポジトリにアクセスするためのボタンが追加されました。

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これはもともとIDEメニューの[ツール]-[テンプレートライブラリ]で選択すると表示される項目で、新しいアイテムから直接、テンプレートライブラリとオブジェクトリポジトリにアクセスできるようになりました。

まとめ

RAD Studio 10.4.2では、今回紹介した機能の他に、IDEの品質改善を含めたお客様から寄せられた報告である600以上の問題に対処しています。今回のリリースでは、大規模のプロジェクトに対応するなどIDEの応答性も向上し、以前のバージョンと比べて使いやすくなっています。是非 10.4.2へアップデートしてご確認ください。

今すぐ10.4.2を使い始めよう

すでに、10.4.2のトライアル版が利用可能になっており、今後製品を購入いただくと、10.4.2をダウンロードいただけるようになります。また、すでに製品をお持ちの方は、有効なアップデートサブスクリプションがあれば、既存のライセンスを使用してRAD Studio 10.4.2をご利用いただけます。10.4.2のダウンロードは、新しいカスタマーポータルサイト(my.embarcadero.com)から行えます。

詳細については、以下の情報をご確認ください。

エンバカデロでは、10.4.2において行った作業について大きな成果を上げることができたと考えており、皆さんがこの新しいリリースをご活用いただけるものと期待しています。


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