今回の、Enterprise Articleは、数多くのDelphi開発者を擁するブラジルからのエントリです。Landerson Gomes氏は、RAD Studio / Delphi の強力なクロスプラットフォーム開発機能を活用して、製薬会社のプロセスを合理化。複数業界にわたる課題の克服を、どのように支援したのかを解説します。
Table of Contents
プロジェクトの始動
私は Landerson Gomes、システム アナリストで、Embarcadero MVPも務めています。
私は常に、Delphiに関連する実世界で起こっているすべてのことに目を配ってきました。2003年に大学を卒業し、2010年にはミナスジェライス州ピメンタ市に移り、医薬品流通会社で働いてきました。2012年頃、現在のERPシステムと日常業務の間に残されたいくつかの「穴」を埋めるソリューションを、Delphiによって作成できること、それによって会社を支援できることに気付きました。そして、2014年にミナスジェライス州フォルミガ市で開催された、我々の顧客である薬局チェーン会議に出席しました。会議はビジネスに関連するものでしたが、IT部門がどのように役立つのかを再認識し、顧客との関係を促進、強化できるソリューションを生み出すために、密接に関わっていくことを決めました。
当社のコマーシャル マネージャーは、製薬業界と協力してプロジェクトを発表し、最終敵に顧客がその結果を監視できるように、これらの結果のレポートを受け取り、アワードを授与するという計画を公表しました。テクノロジーの専門家としては、テクノロジーが利用可能であるにもかかわらず、レポートをわざわざ作成してそれぞれの顧客に送信する作業を行うというのは、理にかなっていないと感じました。そこで、顧客がログインして、結果とスコアをオンラインで確認できる Webサイトを使えばよいのではないかと提案したのです。全員がそのアイデアの虜になりました。それは土曜のことだったと思います。私たちはレストランへと出かけ、ミーティングが実りあるものだったことを祝って、帰路につきました。
そして月曜日を迎えると、その午後、コマーシャルマネージャーが、すでにコンサルティングを受けたいという顧客がいるので、どのサイトを通知すればよいかと聞いてきました(こんな経験は、IT分野の誰も経験したことがないと思いますが…)。当然私は、サイトの計画、構築、公開には時間がかかるのです。と説明しましたが、納得してもらえません。そこで、パートナーシップとアワードのルールはすでに理解しているので、とあるツールで試してみます、と言ったのです。
私はすぐにエンバカデロのWebサイトに行って、Delphi XE7のトライアル版をダウンロードしました。Atozed Intraweb (IW) を用いてプロジェクトを作成し、ERPデータベースに直接クエリーを発行して顧客リストとその販売データを取得し、アワードスコアを生成するWebサイトを構築したのです。翌火曜日の朝、私はマーケティングチームに、サイトのビジュアルアイデンティティのテストと作成を依頼しました。水曜日にはテスト終了を受けて、微調整を行って完成にこぎつけました。トライアル版ではIWの接続ポートが固定されていなかったので、製品版の購入をすぐに申請。そこから、Delphiによる開発の歴史が始まったのです。
Delphiを全社的に採用することになった理由
その瞬間から、Delphiは社内のプロセス簡素化のルーチンの一部となりました。いくつかのソリューションが作成され、社内のさまざまな部門のルーチンがより生産的なルーチンに変換され、ERP とのユーザーのやり取りが、Delphi で開発されたルーチンによって、労力のかからない自動化されたものになりました。
同じ時期に、同社は配送センター (DC) の変更にも取り組んでいました。これは現在、WMSシステム (倉庫管理システム) も備えたものになっています。ERPとWMSを統合し、異なるデータベース メカニズム間で情報をやり取りできるシステムをDelphiで作成しました。ERPは、MS SQL Serverを使用しているのに対し、WMSはOracleを使用しています。しかし、Delphiに搭載された極めて強力なデータアクセスエンジン「FireDAC」により、これら2つの世界の間で透過的に情報の交換が可能になりました。
また、電子注文システムと、ERPとやり取りするセールスフォースオートメーションの別システムもありました。私はDelphiを用いて、これらのシステムの監視と管理を行うアプリケーションを作成しました。これにより、企業は、物流プロセスで要求される時間内に、注文を完了させるのに必要な作業量を判断し「予測」できるようになったのです。
物事は徐々に自然になり、Delphiソリューションを生成することは私のDNAの一部となり、官僚主義を排除し、生産性を劇的に向上させる社内のプロセスの地位を確立したのです。
商業部門におけるインパクト
社内のあらゆる部門で、仕事への負担が軽減されたことが顕著になってきました。外部的にも、顧客とサプライヤーが効率性アップを認識するようになりました。私は、経営陣とサプライヤーの両方に、フォローアップソリューションを生み出すべく、商業部門とのいくつかの会議に参加しました。リアルタイムで株価を監視する可能性を提示したときは、大変好評でした。これらを受け、全国どこからでもデータにアクセスできる DataSnap RESTサーバーを作成しました。
サプライヤーは、多くの場合、別の州で働いていたので、これにより情報を即座に収集し、取締役やミーティングの場で、これらを提示することができるようになりました。
彼らは、その名前も知りませんでしたが、彼らの働き方を変えたと確信できるツールのパワーが理解された瞬間でした。
可用性とイノベーションが果たした役割
しかし、Delphiはもっと多くの可能性を開いてくれました。私は、手元のモバイル端末から、会社のルーチンワークを制御できるツールを作成することにしたのです。Delphi XE7 は、モバイルデバイス向けのソリューションを開発するための強固なプラットフォームを、すでに提供していました。
そこで、アプリの画面から直接ダイヤルできる電話機能、GPS、マップ、バーコード読み取りなど、Android プラットフォームで利用できる機能に加えて、会社のすべてのシステムにアクセスできるAndroidアプリを作成することにしました。
WMSとERPの統合を、排他的に管理できる別のソリューションも作成しました。
このように、私たちの手のひらの上で、会社の内部生産プロセス全体が利用可能になりました。ディストリビューターごとに分別されて輸送された医薬品が、より速く、より効果的かつ効率的に薬局に到着し、その結果、ブラジルのミナスジェライス州の家庭にいち早く届けられるようになったのです。
Delphiは、このサクセスストーリーの一部を構築するのに役立っていたことは、間違いありません。
詳細はビデオで
このトピックについては、2018年のCode Rage Brazilで取り上げました。この投稿の画面ショットも、Delphi 10.2 Tokyoを使用していたこのビデオを投稿した時点のものです。
ビデオは、こちらからご覧いただけます。
私が経験してきたこのサクセスストーリーを楽しんでいただければ幸いです。
この記事は、Enterprise Article Showcaseへ投稿されたものです。RAD Studio、Delphi、C++Builderと関連技術を用いて構築した開発プロジェクトの成功事例をお持ちの方は、ぜひご連絡ください。詳細はこちらをご覧ください。
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