11月9日(日本時間11月10日午前1時)にDelphi、C++Builder、RAD Studio 12のローンチ・ウェビナーを開催しましたが、前例のない数の参加者があり、11 月 30 日にウェビナーを再開催するほどの反響がありました。参加できなかった方は、こちらのリプレイをご覧ください。
両日のウェビナーに参加された方から何百もの質問が寄せられました。このブログでは、RAD Studio 12に関する質問と回答をまとめた一部をご紹介させていただきます。
Table of Contents
VCLと FMX
‘EnableImmersiveDarkMode’:このメソッドを呼び出すことによって、VCLはWindowsのダークスタイルを使用しますか?
タイトルバーとボーダーに対して作用します。これによってVCLアプリは、VCLスタイルを使用することなく、非クライアント領域にダーク色を使用することができます。
FMX向けにWindows 10 DarkとWindows 11のスタイルは提供されていますか?
GetIt経由で新しいFMXスタイル( Windows11 Impressive Light と Windows11 Impressive Dark )を提供しています。また似たような名前のVCL向けのWindows11スタイルもあります。
MDIアプリをバージョン12の新しいMDIフレームワークに移行するためのガイドラインはありますか?
再コンパイルするだけで動作するはずなので、その必要はありません。 必要に応じて、新しい TFormsTabBar コントロールを追加できます。
あるモニターを別のモニターに移動するときにスケーリングの変更を実施しようとしていますが、ScaleForPPI は良いアプローチですか?
VCL は、モニター間を移動するときのスケーリングを処理します。フォームをドラッグするだけで、コントロールのサイズと位置が調整されます。 ScaleValue を使用すると、手動でサイズなどを調整できます (たとえば、コントロールの位置を x + 4 として計算する場合、その値を x + ScaleValue(4) にします)。またDPI に依存しない仮想イメージ コレクションと新しいイメージ リスト コントロールもどうかお忘れなく。
Skia
Skia は C++ をサポートしていますか? VCLでのサポートは?
両方ともサポートしています。オリジナルのSkia4DelphiプロジェクトはDelphiのみでしたが、バージョン 12 では C++とDelphiの両方に統合されているため、利用可能です。して、もちろんFMXをサポートしており、FireMonkeyの新しいレンダリング基盤である一方、VCL(もちろん Delphi と C+で)でも強力な新しいコンポーネントのセットで利用可能です。
SkiaはFMXでRTL(right to left)をサポートしますか?
新しい Skia コントロールの一部(TSkLabel コントロールなど)は RTL をサポートしており、Skia を活用した将来のバージョンでは FireMonkey の RTL サポートをさらに拡張する予定です。
Delphi12のSkia4Delphiのベースはバージョン5ですか? それともバージョン6ですか?バージョン6では、ユニットの名前変更など、多くの変更が加えられています。
RAD Studio 12では、バージョン6、正確には6.0.0で提供しています。RAD Studioの統合とSkia4Delphiチームとの合意により、名称の一部が変更されました。
Skiaのデモはありますか?
はい。GitHub の RAD Studio12 リポジトリには Delphiと C++、VCL と FMX 向けの Skia デモがあります。
- CPPMulti-Device SamplesSkia4Delphi
- CPPVCLSkia4Delphi
- Object PascalMulti-Device SamplesSkia4Delphi
- Object PascalVCLSkia4Delphi
C++
プレビュー版の新しいC++ツールチェーンはいつ出荷される予定ですか?
実際のリリースに先駆けて約束することはできませんが、すぐに行いたいと思います。エンバカデロでは、12.0は実際のリリースに先立って新しいC++ツールチェーンの技術プレビューを披露するのに適したリリースであると考えました。
新しいC++ツールチェーンがプレビュー版だとしたら、アップデートはあるのでしょうか?
はい。現在、作業は急ピッチで進められており、パブリックプレビューが社内のものとあまりに古くなることは避けたいと考えています。そのため12.1がリリースされるよりも前のタイミングで、プレビューを更新するために、GetItで1つ以上のアップデートを検討しています。
Visual Assist は価格に含まれていますか? それとも追加料金が必要ですか?
製品価格に含まれています。Visual Assist for C++BuilderはC++Builderの機能の一部なので、C++Builderを購入すると、Visual Assistが付属しています。
ただし、Visual Assist for Visual Studioは独自の製品であるため、別途購入する必要があります。
Visual Assistはプロジェクトディレクトリ配下に関連フォルダを作成しますか?
いえ、VAはプロジェクトディレトリ配下に関連したフォルダは保存しません。キャッシュはAppDataフォルダに保存され、その場所はこちらのドキュメントに記載されています。
Visual Assistはクラシック(従来のBorland)コンパイラで動作しますか?
はい。新しいコード補完機能はClangを使用しているときのみ有効です(つまり、クラシックを使用しているときは、クラシックの補完機能が使用されます)が、リファクタリングやナビゲーションのような他の機能は、使用しているコンパイラに関係なく動作します。
C++向けのクラシック(従来のBorland)コンパイラはC++Builder 12で利用できますか?
はい、利用可能です。
TwineCompile は C++Builder 12 で利用できますか?
はい。GetIt経由でTwineCompileが入手できます。
Delphi
DelphiでもVisual AssistとGo To Relatedのような機能があると便利ですね!
確かに!
(これはおそらく最も多く寄せられた質問でした。C++BuilderとDelphiの両コミュニティの間でVisual Assistが盛り上がっているのは大変素晴らしいことです)
JSONクラスジェネレータはC++Builderでも利用できますか?
いいえ、Delphiのみの機能です。
循環使用チェックは、外部ユニットやコンポーネントもチェックされますか?
はい。コンパイラが認識可能なものは、すべてをチェックします。 これを変更するには、-graphviz-excludeディレクティブでユニットのファミリーを除外します。
デバッガ
Windowsプラットフォーム向けのLLDBデバッガについてはどうですか?
はい。 現在のツールチェーンとプレビュー版のツールチェーンの両方で C++ Win64 向けの LLDB を使用しており、近いうちに Delphi を追加したいと考えています。なお、C++プレビュー版のツールチェーンでは、PDB デバッグ情報も生成されることにご留意ください。
データ
SQLiteの暗号化機能はありますか?
エンバカデロでは、サードパーティのライブラリであるSQLiteを制御することはできません。その代わりにSQLite EEのサポートを提供しており、古いバージョンのSQlLiteでもFireDAC暗号化を引き続き使用できます。より良い選択肢としてInterBaseを使用することをお勧めします。InterBaseは暗号化機能を提供しております。従って低コストで、より機能が充実したデータベースを利用することができます。 またInterBase ToGoは手頃な価格のサブスクリプションによって、すべてのプラットフォームで利用することができます。
CData EnterpriseConnectorsは、まだ入手可能ですか?
CDataはCData EnterpriseConnectorsの開発を中止し、契約を終了しました。もしご不明な点がございましたら、エンバカデロへお問い合わせください。
ターゲットプラットホーム
Linuxは、DelphiとC++のターゲットプラットフォームですか?
Linuxのターゲットプラットフォームをサポートしているのは、Delphiのみです。
C++Builder 12はiOSとAndroidの開発をサポートしていますか?
C++Builder の製品版のライセンスをお持ちの場合は、C++Builderの過去バージョンもご利用いただけます。iOS15 SDKおよびAndroid 32ビットアプリ開発には、C++Builder 11.3の使用をお勧めします。
Windows Server 2016はサポートされていますか?
正式なサポートはWindows Server 2022とWindows Server 2019です。ただし、テストはされていませんが、アプリケーションは Server 2016 で正常に動作する可能性があります。独自のテストを実施することをお勧めします。
一般
同一PC内に11.3と12.0を共存させることができますか?
可能です。詳しくはこちらをご参照ください。
Delphi 12 で Parnassus ブックマークとナビゲータは利用できますか?
GetItから入手できます。同一PC内に12.0と11.3が共存してインストールすると不具合が生じておりましたが、現在は解決されています。
PAServerとRAD ServerのDockerイメージは更新されますか?
はい、Dockerイメージを更新中です。
バージョン12でプロジェクトを編集した場合、バージョン11.3でコンパイルできますか?
新しいバージョンで編集したプロジェクトを過去バージョンで開いて編集し、コンパイルすることは、正式にはサポートしておりません。またプロジェクトファイルに大きな変更はありませんが、それを想定したテストを行っていないため、予期しない問題が発生する可能性があります。
新機能を使用したい場合、もちろん、新しいコンポーネントやプロパティなどは 12.0 にしかないため、11.3 では動作しません。 新しいプロパティを持つコンポーネントでフォーム/フレームを開くと、そのプロパティがDFM/FMXファイルに追加される可能性があり、古いバージョンではエラーが表示されずにそれらのフォーム ファイル定義を読み取ることができなくなります。
そのためバージョン12とバージョン11.3で同じプロジェクトを共有するのではなく、それぞれのバージョンで別々のプロジェクトファイルとして管理してください。
ToolsAPIのドキュメントは更新されていますか?
はい、新しい高速読み取りおよび書き込みエディタ API のデモもあります。
RAD Studio 12の新しいデモやサンプルはありますか?
はい。GithubのRAD 12 デモ リポジトリに以下の新しいデモが追加されました。
- Skia for Delphi and C++, in VCL and FMX
- CPPMulti-Device SamplesSkia4Delphi
- CPPVCLSkia4Delphi
- Object PascalMulti-Device SamplesSkia4Delphi
- Object PascalVCLSkia4Delphi
- FireDAC / Data
- Object PascalDatabaseFireDACSamplesComp LayerTFDQBEMain
- ToolsAPI
- Object PascalToolsAPIEditor DemosEditor Local Menu Demo
- Object PascalToolsAPIEditor DemosEditor Raw Read Demo
- Object PascalToolsAPIEditor DemosEditor Write Demo
- Object PascalToolsAPIEditor DemosLineCellStateDemo
64ビット版のIDEは利用できますか?
時期的なことは申し上げられませんが、ご期待ください!
MacでParallelsを利用してARMを開発しています。そのプラットフォームでARMとIntel向けにコンパイルできますか?
ARM WindowsやVMでのRAD Studioの実行は公式にはサポートしていませんが、サポート対象プラットフォームへの追加を検討しています。社内でこれらを使用しているスタッフもおり、いくつかの既知の問題があります。RAD Studioの機能の大部分は動作しますが、浮動小数点演算に関する問題やデバッグの問題については調査中です。
ただし、IDEが動作しているプラットフォームに基づいて、特定のターゲット プラットフォーム向けにコンパイルすることは妨げられません。 つまりARM上で動作させながらIntel向けにコンパイルすることは可能ですが、これは完全にサポートされていないことに注意してください。
RAD Studio 12では、ドッキングされていない状態で設計ができますか?
はい。ただし、以前とは方法が異なります。フォームデザイナは常にドッキングされていますが、複数のウィンドウ内に配置できるため、フォームデザイナを別の画面に置いたり、フローティングウィンドウに配置したりできます。また同じユニットのデザインとコードの両方を同時に画面上に表示することもできます。
サードパーティ
バージョン 12でFastReportsを利用できますか?
はい。GetIt経由でVCLとFMX FastReportsの両方のインストーラーが入手できます。
その他
テレワーク(在宅勤務)向けのライセンスはありますか?
指定ユーザーライセンスは、特定の個人に使用権が与えられるライセンス(複数のユーザーで共有することはできません)で、ソフトウェアは複数のコンピュータにインストールして使用することができます。例えば、使用者が同じであれば、会社のPCとテレワーク向けに自宅のPCヘそれぞれRAD Studio/Delphi/C++Builderをインストールして使用することはできます。
ただし、複数のPCにRAD Studio/Delphi/C++Builderをインストールしていても同時に使用できるのは1つのみです。
エンバカデロでは、指定ユーザーライセンス以外にも別のライセンスオプションをご用意しております。詳しくはこちらをご参照ください。
バージョン12のCommunity Editionをリリースする予定は?
現在はまだ未定ですが、将来的にはCommunity Editionのリリースを予定しています。
最新バージョンの利用は、製品版を購入されている方の大きな特典の1つとなっております。そのためCommunity Editionのリリースはここ数年、遅れがちでなっておりますが、いずれはリリースされますので、それまでどうかお待ちください。
将来的にAIを導入する予定は?
エンバカデロでは、リリースされるまで今後のことについて話すことはできませんが、AI という分野はエンバカデロでも当然多くのことを検討しており、積極的に関心を持っています。我々のコミュニティの多くの方々も同様で、GetItにはいくつかのAI-in-the-IDEプロジェクトがあり、今日から試すことができます。
「アテネ」というネーミングに由来するエピソードはありますか?
「アテネ」というネーミングに関わってくるキーワードは「ギリシャ」と「デルフィ」です。
もっと長い答えになりますが、エンバカデロではRAD Studioの過去バージョンにおいて各大陸の都市名をシリーズ化しており、最後のアレクサンドリアは古典時代の都市であると同時に(デルフィにつながる)アフリカの都市でもありました。今回のリリースでは、ギリシャにちなんで、古典時代の都市という概念と、もちろん私たちの原点とも言える「Delphi」という製品のネーミングのルーツにもつながるような名前をつけようと考えました。
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