RAD Studio 12.2 Patch 1は、RAD Studio IDE、FireMonkey、bcc64x Win64 Modernツールチェーン、RAD Server、および64ビット版Delphiコンパイラに重点を置いて、12.2リリースに品質改善を行っております。
このパッチは、RAD Studio 12.2でビルドされたパッケージをRAD Studio 12.1および12.0で使用できないパッケージのバイナリ互換性の問題も修正します。この問題は主にサードパーティコンポーネントベンダーに影響します。このバイナリ互換性の問題に対処するために変更が必要なソースファイルはわずかですが、すべての対象プラットフォームのほぼすべての DCU ファイル署名とランタイム パッケージに影響します。この問題に対処したホットフィックスを提供した場合、ダウンロード サイズが大きくなり (約 1 GB)、インストールするファイルも多数必要になります。
そのため今回の12.2 Patch1は、従来のようなホットフィックスように部分的にファイルを置き換える方式ではなく、一旦 12.2をアンインストールし、まるごと12.2 Patch1へ置き換えることによって不完全なホットフィックスのインストールから生じる潜在的な不安定性を回避し、正しい全ての12.2 Patch1の機能としてインストールすることができます。バージョン12.2の再インストールはかなりの手間であることは理解していますが、パッチツールを使用するよりもはるかに優れた代替手段となります。
上述しましたようにRAD Studio 12.2 Patch1をインストールする際、同じPC内にRAD Studio 12.xが既にインストールされている場合は、
- RAD Studio 12.xをアンインストール
- RAD Studio 12.2 Patch1をインストール
という手順になります。
RAD Studio 12.2からRAD Studio 12.2 Patch1へアップデートされる際も、必ずRAD Studio 12.2はアンインストールされますのでどうかご留意ください。
RAD Studio 12.2 Pacth1へアップデートされる場合は、こちらのサポート情報をご参照いただき、事前にRAD Studio 12.xをアンインストールいただくことをお勧めいたします。
またRAD Studio 12.xのGetItパッケージマネージャ経由でインストールされたサードパーティ製品は、RAD Studio 12.2 Pacth1で再インストールが必要となりますので、どうかご留意ください。
なお、RAD Studio 12.2 Pacth1をインストールいただくと、IDEのビルドバージョンは、29.0.53982.0329になります。(オリジナルの12.2のビルドバージョンは、29.0.53571.9782)
Table of Contents
GetItパッケージマネージャ経由でのインストール
IDE を起動した際 (または次回の ウェルカムページの更新時)、RAD Studio12のウェルカムページ に「パッチが利用可能です」というアイコンが表示されます。
このアイコンを選択(クリック)するか、GetItパッケージマネージャを開いて「Patches and Hotfixes」の項目を選択すると、下図のようにRAD Studio 12.2 Patch 1 1.0 が表示されます。
RAD Studio 12.2 Patch 1 1.0 の”インストール”を選択すると、Webインストーラーを含むファイル一式がダウンロードされ、Readmeとダウンロードフォルダを開きます。
ダウンロードされたファイルはRAD Studio 12.2 Patch1のWebインストーラーなので、まだPatch1はインストールされていません。
RAD Studio 12.2 Patch 1をインストールするには、
- RAD Studio 12.2のIDEプロセスを終了
- C:¥Users¥<ログイン名>¥Documents¥Embarcadero¥Studio¥23.0¥CatalogRepository¥12.2Patch1¥RADStudio_12_2_i_esd_0329_4F2B.exeを実行
Webインストーラー(RADStudio_12_2_i_esd_0329_4F2B.exe)を実行すると、上述しましたように同じPC内にインストールされているRAD Studio 12.xは必ずアンインストールされます。RAD Studio 12のインストール情報については、こちらをご参照ください。
なお、GetItパッケージマネージャから入手できるのは、Webインストーラーとなりますので、ISOインストーラーを利用したい場合は、次節「手動によるインストール」をご参照ください。
手動によるインストール
12.2 Patch1を含むinline版のインストーラーは、my.embarcadero.comのWebサイトから入手可能で、オンラインのWebインストーラーとオフラインのISOインストーラーの両方が用意されています。(インストーラをダウンロードする方法は、こちらのサポート情報をご参照ください。 )
どちらのインストーラーを利用される場合も必ず、12.xのアンインストールが必要となりますので、こちらのサポート情報をご参照いただき、事前にRAD Studio 12.xをアンインストールいただくことをお勧めいたします。
12.2 Patch1で改善されたQPに報告されている問題
12.2 Patch1は、Embarcadero Quality Portalで報告されている以下の問題を改善しています。
- RSS-698 Try catch finally bug under win64x
- RSS-728 VCL Exceptions can cause a crash for C++ Win64x applications
- RSS-1750 Can’t use the Bitmap Style Designer released with 12.2 Athens (reported also as RSS-1785, RSS-1974, RSS-2033, and RSS-2035)
- RSS-1781 The IDE code editor scrollbar is broken (see also RSS-1781 and RSS-2115)
- RSS-1944 Applications compiled with 12.2 don’t work with 12.1 BPLs (also reported as RSS-1838 and RSS-1948)
- RSS-1840 TTextServiceAndroid Exception when moving caret to new line (also reported as RSS-2029)
- RSS-1945 ExtractFileDrive no longer returns the host as a drive
- RSS-1982 Missing RTTI for interfaces in C++
- RSS-2019 Focus Mode + F9 functionality issues
その他の機能強化
12.2 Patch1では、以下の注目すべき改善も含まれています。
- ジェネリクスを使用する際のDCC32の64ビット版のパフォーマンスの改善
- IDE品質の修正(2つの編集ウィンドウでプロジェクトを閉じるときのAVの解決、スクロールバー注釈のパフォーマンス問題、折りたたまれたコードに関連する問題、フォーカスモード機能のサイズと描画の問題、ナビゲーションツールバーのフォントの色など
- C++ツールチェーン品質(関連ファイル名を使用する-jobsの問題の修正、ldリンカの「ストリーム」エラーの修正、RTTI、バッチコンパイル、リソース翻訳、コンパイラのいくつかの問題に関連する修正など
- FireMonkey OleControlsとネイティブコントロールに関連するいくつかの問題の品質改善
- RAD Server モジュールで REST または HTTP クライアントコンポーネントを使用する際の RAD Server の修正(EBindingScopeFactoryError)
- IPWorksをインストールする際の競合に対処する修正
機能強化:このパッチは、バージョン 12.2 で導入された新しい –jobs 実装を拡張し、コマンド ライン MSBuild/IDE コンパイル経由だけでなく、コマンド ラインのコンパイラ ドライバー (bcc64x) 経由で直接呼び出せるようにしています。
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