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IoTデバイスから取得したデータを Google Spreadsheet に流し込んでリアルタイム処理してみる

the future of starts demands massive productivity

This blog is written in Japanese for about “Real-time data analytics from IoT device with Google Spreadsheet”. Sample movies on youtube are below.

大阪と東京で 2016年6月10日(金) および13日(月) に開催したデベロッパーキャンプでは、私の担当するセッションで「IoT デバイスからの値を Google Spreadsheet にリアルタイムに送信しつつ、グラフやヒートマップもリアルタイムに更新する」というデモをご紹介しました。

以下のリンクはYoutubeで公開中の第32回デベロッパーキャンプのムービーから、実際に行ったライブデモのシーンだけを抜き出したものです。

心拍計の数値をリアルタイムにグラフ化する

BeaconFenceの位置情報でヒートマップを描く

そしてデータをGoogle Spreadsheetに流し込む手法については夕方の Lightning Talkでも披露いたしましたが、5分間という時間枠では概要しかご説明できませんでしたので、その方法およびヒートマップ化のために使用したワークシート関数について改めて説明いたします。

まずは Google Spreatsheet のサンプルを用意しましたので、以下のURLを開きつつ読み進めていただければと思います。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1pIEwJCNgOH5QXRzqyND_Papvmntq_5BurvUBfNBn-T0/

Spreadsheet の解説

この Spreadsheet で行っていることは以下の通りです。

なお、この方法によるデータ収集や分析は、データ分析方法を検討試行する段階に向いています。

データサイエンティストの方なら R 言語等を使うほうが便利ですし、Web系の方は ElasticSeearch + Kiibana を利用するのが得意でしょう。本番稼働時にはこの手のツールを使った分析を考えるべきと思いますが、この手のツールにあまり馴染みがない場合は Microsoft Excel や Google Spreadsheet をはじめとするスプレッドシートが最も身近なツールですので、これを使うのは一つの選択肢としてアリです。

ただし Google Spreadsheet にデータを大量に保存すると閲覧処理が重くなりますし、ここで紹介する方法は第三者による偽のデータの投げ込みを防止することは困難です。そういう意味でも本番稼働時は適切なデータベースサーバとの組み合わせを検討することが必要です。

それでは順番にご説明します。ここでは主にBeaconFenceの測位データから簡易ヒートマップを描画する手順をご説明していますが、IoTセンサーからの値をグラフ化したい場合も基本的には同じ手順で行えます。

Google Form 経由で計測値を受信する

Google Form は Google Drive 上で Web フォームを作成する機能です。本来はアンケートフォームや問い合わせフォームの作成を行うツールなのですが、これをデータの受け渡しに使うことで Google Form → Google Spreadsheet のデータ連携が可能となります。

ところでGoogle Form でフォームを作成すること自体の説明は省略いたします。Google アカウント(または Google Apps アカウント)をお持ちなら以下のリンクから実際に操作してください。非常に簡単にフォームを作成できることが分かると思います。

https://www.google.com/forms/about/

さて、Google Form ではフォームが簡単に作れますが、収集した回答内容は初期状態では Google Spreadsheet にはリンクされていません。Form の編集画面から CSV 形式でダウンロードできるだけです。これでは今回の目的に合致しないので、回答内容を Google Spreadsheet に出力するように設定を変更します。これは以下のURLに手順説明があります。

https://support.google.com/docs/answer/2917686

ここまでの作業により、Google Form から送信したデータが Google Spreadsheet に受け渡されるようになりました。

あとは、Google Form からの回答を実際に受け取っているURLやパラメータがわかれば、アプリケーション側からこれを呼ぶことでデータの投げ込みが可能になります。この形式は基本的には以下のフォーマットを取ります。

https://docs.google.com/forms/d/[FORM_ID]/formResponse?entry.[NAME_1]=[Value_1]&entry.[NAME_2]=[Value_2]

上記は GET メソッドの形式ですが、POST で受け渡すことも可能です。

FOMR_IDやNAME_n, Value_n はフォーム作成時に自動的に割り当てられる一意な値ですが、これはブラウザでデベロッパーモードを有効にした状態で実際にフォーム送信すれば容易に確認できます。Google Form へのデータ投げ込み用の URL を確認したら、実際にそのURLに対してリクエストを投げ込むテストを行います。ブラウザでGETメソッドでリクエストを投げてもよいですし、curl や wget などのコマンドラインツールを用いてもよいでしょう。

上記形式のURLより値が適切に投げ込めることが確認できたら、RAD Studio のアプリケーションでは TNetHTTPClient を用いて以下のようにURLを呼ぶようにすればOKです。

[crayon-673a67fa91ab9746698600/]

BeaconFenceで測位した位置情報を送信する場合のコードは OnPositionEstimated イベントに紐づけます。コードの例は以下のとおりです。

[crayon-673a67fa91ac0703188060/]

Google Form の回答用シートの値を別シートから参照する

Form からの送信を受け取るシート上で様々な分析を行ってもよいのですけど、これは誤操作によってデータを棄損する可能性があります。あるいは Form の項目を増やした場合に不都合が出る可能性もあります。

このため、分析用には別のシートを作成しておき、そこから回答用シートの値を参照することをおススメいたします。

別シートの値を参照するには「ワークシート関数の QUERY 関数」を使用します。今回のサンプルの Spreadsheet では A2 セルに以下のような計算式を記入しています。

[crayon-673a67fa91ac1685168777/]

抽出条件は書式は SQL に似た形式で記述できます。ここでは直近60件分のデータ(limit 60)を時刻の逆順(order by A desc)で取得しています。

各地点ごとの滞在数カウント

今回のサンプルでは、F4:L14 のすべてのセルに COUNTIFS() を用いた下記の計算式を記入しています。(最初に F4 に以下の式を作成後、他のセルに計算式をコピーしています)

[crayon-673a67fa91ac2613136002/]

また、この計算式ではE列と3行を縦横の見出し行として相対参照しています。この計算式を F4:L14 に配置することで1mメッシュの各地点の滞在数を算出しています。

滞在数カウントに基づくヒートマップの描画

F4:L14に滞在数がカウントされている状態で「条件付き書式のカラースケール」を設定すると、滞在数の大小に対応して色の濃淡で塗り分けが行われます。これは簡易ヒートマップとして利用できます。

以上の流れにより、アプリケーション側で取得したデータを Google Spreadsheet に流し込みつつリアルタイムでヒートマップを描画することが可能になります。

 

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