RAD Studioには、製品の追加機能、アドオンライブラリとコンポーネント、デモ、VCLおよびFMXスタイルなどをダウンロードするためのメカニズム、軽量なパッケージマネージャーが搭載されています。一部のコンテンツは、エンバカデロによって提供されていますが、コミュニティの開発者やサードパーティベンダーによって数多くのコンテンツが提供されています。
Delphi / C++Builder次期リリース「10.4」では、GetItパッケージマネージャーに大幅な変更が施される予定です。主な追加事項としては、各エントリーに、リリース日、技術的に言えばタイムスタンプが追加されるようになります。これは、さまざまな追加機能のベースとなるものです。
- エントリーリストを日付で並べ替え、最新のエントリーを上に表示可能
- インストール済みの各エントリーについて、更新バージョンがあるかどうかを表示
- 更新バージョンがある場合、すべてのインストール済みエントリーを表示可能
Table of Contents
フィルターのアップデート
UIについては、GetItダイアログUIのフィルターセクションに変更があります。
古い有効ではないフィルター(無料 / 購入可能など)を削除して、2つのオプションを残し、新しいオプションを2つ追加しています。
- [All]は、全てのエントリ
- [Installed]は、現在のシステムにインストールされているパッケージ
- [Subscription Only]は、エンバカデロが提供する独占コンテンツ向けの新しいフィルターで、有効なアップデートサブスクリプションライセンスをお持ちのお客様に限定されます。
- [Updates]は、現在のシステムにインストール済みのパッケージを対象とし、新しいリリースが利用可能なものをリストアップします(インストールされているバージョンのタイムスタンプよりも新しいタイムスタンプのパッケージ)。
以下は、新しいフィルターを使用した例です。
もう1つの変更は、GetItダイアログボックスの「ソート」セクションです。ここには、パッケージをリリース日(またはタイムスタンプ)で並べ替える新しいオプションが追加されました。
GetItエントリーのUI
GetItダイアログに表示されるそれぞれのエントリのUIについても変更が加えらえ、パッケージの公開日とインストール日(パッケージをインストールした場合)が表示されるようになります。エントリーのステータスによって、UIに(いくつかの)アクションを実行できるボタンが新たに追加されます。これにより、パッケージのアップデートなど、実行できるアクションが選択できるようになります。以下は、エントリーの初期状態の標準UIと、インストール後にアップデートが利用可能になった状態のUIです。
2番目の画面ショットに表示されている2つの日付は、最新のアップデートがリリースされた日付と、インストールされているバージョンのリリース日(インストールした日ではなく、インストールされている項目のタイムスタンプ)である点に注意してください。
RAD Studio向けパッチ
10.4から利用できるもうひとつの重要な機能は、GetIt経由でパッチを提供する機能です。これには、パッチが提供されていることをお客様に知らせる機能も含まれます。今回、ウェルカムページに新しいセクションを追加し、パッチが提供されていて、インストールされていない場合に、これを案内するようになりました。
パッチをインストールすると、この表示は消えます。ウェルカムページのヒントと組み合わせ、GetItパッケージマネージャーでは、パッチ向けの新しいカテゴリを加えました。しかし、変更はこれだけではありません。技術的観点からは、遅延インストールモードを導入し、RAD StudioのIDE自体が使用するファイルをアップデートする必要のあるパッチについては、RAD Studioを終了したあと(あるいは再起動したときに)別のプロセスによってインストールを行えるようにしました。これにより、RAD Studioを最初に閉じなければならないような、複雑なパッチのインストールについてもサポートされるようになります。
GetItの追加機能
GetItパッケージマネージャーには、上で紹介した機能のほかにも、数多くの新機能や機能改善が加えられています。
- パッケージをインストールする際に、通常のインストールで使用するのと同じログファイルにステップを記録できます。これは、CatalogRepository/Debug RAD Studioレジストリキーによって制御されます。
- [プロジェクトを開く]アクションで、プロジェクトグループを開くことができます。
- ログファイルは、GetItによってインストールされたファイルが置かれているフォルダーに保管されます。
- GetItの操作でエラーが発生した場合、アクション名が内部の数値コードと併せて表示されるため、エラーについて理解しやすくなります。
まとめ
ご覧いただいたように、10.4では、GetItパッケージマネージャーに付加価値を加えるべく、多くの作業を進めています。これにより、RAD Studioユーザー向けにコンポーネントやライブラリを配布するための手段としての利便性が高まることを願っています。多くの拡張はすでに進行しています。ご期待ください。
アップデートサブスクリプションに加入している方は、ベータビルドへのアクセスが可能です。現在でも10.4のベータプログラムに参加可能ですので、お問い合わせください。
この記事は、RAD Studioの将来のリリースに関するプレビューです。製品品質やスケジュール等の理由により、紹介した機能の提供が変更になる可能性があります。製品が正式にリリースされるまで、最終的な機能、スペック等について保証されません。