2020年11月にmacOSとiOSの最新バージョンのサポートを改善することにフォーカスした「RAD Studio 10.4.1向けPatch: Appleプラットフォームの修正」をリリースしましたが、今回は同じパッチの更新版です。このパッチでは、既に修正したAppleSDKのインポートとデバイスでのデバッグに関する問題に加えて、特定のライブラリ(例えば、TClientDataSet)のバインディングやiOSのC++開発に関する問題などを解決しています。
パッチの適用は、
- GetItパッケージマネージャ経由(遅延パッケージによる自動インストール、RAD Studioの再起動時に適用)
- my.embarcadero.comからのダウンロードし、手動でインストール
のどちらの方法でも行えます。
この新しいパッチには、以前リリースされた古いパッチが含まれているため、古いパッチは破棄し、更新した版に置き換えました。古いパッチを既にインストールしている場合は、その上に新しいパッチをインストールしてください。そうでない場合は、新しい”12月更新版”をインストールしてください。
古いパッチを既にインストールしている場合は、GetItパッケージマネージャを開くと、以下のようなパッケージの項目が表示されます。
- 古いパッチは、Apple Platfoms Patch for RAD Studio 10.4.1 1.0
- 新しいパッチは、December Apple Platfoms Patch for RAD Studio 10.4.1 1.0
これはシステムに既にインストールされているパッケージを一覧表示するためです。 ただし、古いパッチをアンインストールする必要はありません。
詳しくは、以下の新しいパッチの readme を参照ください。
Appleプラットフォームの修正(12月更新版)のreadme
このパッチでは、10.4.1のリリース時に間に合わなかったXcode 12、iOS 14、macOS 11 Big Sur (Intel)のサポートに関連するいくつかの問題に対処しています。11月に同様のパッチをリリースしました。この新しいパッチは、その以前のパッチを置き換えるもので、同じエリアでさらなる改善を提供しています。既存のパッチの上にこのパッチをインストールすることで、必要なファイルはすべて置き換えられます。
以前のバッチ(2020年11月にリリース)には、以下の内容が含まれていました。
- macOS 11 Big Sur(Intel)上で実行するアプリの例外送出時、ならびにアプリの終了時の問題(RSP-30000)
- Xcode 12からのSDKのインポート(PAServer 経由)
- iOS14デバイス上でのアプリのデバッグ対応
などの修正が行われています。
詳しくは、iOS14、macOS 11のサポートKB、Embarcadero Quality Portal (RSP-31014、RSP-31667)を参照ください。
この新しいパッチには上記の修正が含まれていますが、以下のいくつかの新しい修正が追加されています。
- An issue compiling against the ClientDataSet component (RSP-31795)
- Several issues using C++ with the iOS14 SDK:
- Error ‘unknown type name __UINTPTR_TYPE__’ when building with iOS14 (詳しくは、こちらを参照ください)
- Errors building with the iOS14 SDK, including ‘invalid node: this may result from using a map iterator as a sequence iterator, or vice-versa’ or a linker error (RSP-31014)
- Linker errors referring to DBX, such as ‘[ld Error] Error: “__ZdlPv”, referenced from: __ZN9DBXObjectD0Ev in DBXCommon.o’
PAServerのインストール
パッチのインストール完了後、macOS向けのPAServerのインストーラをmacOS上にコピーして手動でインストールする必要があります。
PAServerの適用手順は、以下の通りです。
- C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥21.0¥PAServer¥PAServer21.0.pkgファイルをmacOSへコピーする
- PAServer21.0.pkgファイルをクリックして、PAServer 21.0のインストーラーを実行する (既に古いPAServerがインストール済の場合は、上書きされます)
- インストール完了後、PAServerを実行し、バージョンを確認してください。
PAServerのバージョンが「12.1.10.5」に変更されていれば、新しいバージョンが適用されています。