他のブログ記事で紹介されている数多くの機能や改善点に加えて、RAD Studio…
C++Builder 12.3で安全性を確保: サニタイザーの導入
2025年03月25日
強化されたClangコンパイラの使用を開始して以来、エンバカデロへ一貫して寄せられている要望があります。それは「実行時チェック機能を追加してほしい」というものです。
この要望は、2つのユーザー層から出ています。
1つは、従来の「クラシック」コンパイラを使っていたユーザーです。この旧コンパイラには「CodeGuard」という、エラーを検出する機能があり、多くのユーザーがそれを頼りにしていました。新しいツールチェーンに移行する際に、それと同等の機能がほしいというのはごく自然な願いです。
もう1つは、Clangに精通しているユーザーです。Clangには「サニタイザー(sanitizer)」と呼ばれる、さまざまな種類の実行時チェック機能が標準で備わっており、それが非常に役立つため、これらの導入を求める声が多くありました。
これまでのClangベースのツールチェーンでは、技術的な制約によりサニタイザーは利用できませんでした。しかし、バージョン12.2で導入され、12.3で品質とパフォーマンスがさらに改善された「C++モダンツールチェーン」では、これまで実現できなかった多くの機能が可能になっています。エンバカデロでは、これを「未来への基盤」と位置付けてきました。「これがあれば、今までできなかったことができる」「ユーザーに真の価値を届けられる」と。
そして今、それが実現されつつあります。
前回のリリースでは、CMakeのサポートとコンパイラ性能の大幅向上(今回はさらに最大20%のパフォーマンス改善)が注目されました。今回のリリースでは、それに加えて、これまで提供できなかった新機能が複数追加されています。
そのひとつが「サニタイザーによる実行時チェック」です。C++BuilderおよびRAD…