本日、エンバカデロテクノロジーズは、RAD Studio、Delphi、C++Builder 11.1 Alexandria 向けのパッチをリリースしました。
RAD Studio 11.1 Alexandria Patch 1は、最新リリースのいくつかの関連する問題に対応しており、アップデートサブスクリプションが有効なお客様は、GetIt パッケージマネージャ(IDE ウェルカムページにパッチに関する案内が表示されます)
またはカスタマーポータル(https://my.embarcadero.com)の ダウンロードサイトから入手できます。このパッチは、すべての RAD Studio 11.1 をご利用のお客様を対象にインストールすることを推奨いたします。このブログでは、Quality Portalへ報告された問題の一覧のやインストール手順について解説いたします。
GetIt経由でのインストール手順は、既に公開しているブログ(https://blogs.embarcadero.com/ja/rad-studio-11-alexandria-patch-1-available-ja/ )で説明している内容と同じです。なお、11.1 では下図のようにパッチを「無視」してインストールしない方法も可能です。ただし、無視するとウェルカムページに「パッチが利用可能」というアイコンも表示されなくなりますので、ご注意ください。
またGetIt経由でインストールする以外にも、カスタマーポータル(https://my.embarcadero.com)からパッチの ZIP ファイルをダウンロードし、手動でインストールすることもできます。なお、パッチをインストールする前に、RAD Studio IDE を手動で終了し(IDE が起動しているとエラーが表示されます)、Readme に記載されている手順に従う必要があります。
Table of Contents
RAD Studio 11.1 Patch 1 Readme
このパッチは、RAD Studio 11.1 の Delphi コンパイラ、macOS および iOS でのデバッグ、従来のコンパイラでの C++ コード補完、および以下で紹介しているいくつかの問題を解決し、RAD Studio 11.1をご利用の全てのお客様にインストールをお勧めします。
このパッチは約400MBのダウンロードが必要です。
GetItによるインストール
GetIt経由でRAD Studio 11.1 Patch 1をダウンロードした場合、置き換えられたファイルのバックアップを作成し、自動的にインストールされます。
なお、macOS向けのPAServerの新バージョンは、Macへ手動でインストールする必要があります。詳しくは、後節の「PAServerのインストール」を参照ください。
手動によるダウンロードとインストール
パッチは、カスタマーポータルでも入手できます。手動でパッチをインストールする場合は、https://my.embarcadero.comからEDNアカウントでログインし、下図のようにRAD Studio 11.1 Patch 1をダウンロードファイル一覧から検索して、ダウンロードしてください。
ダウンロードしたPatch.R111.Patch1-202204273.zipファイルを展開してください。
RAD Studio 11.1 IDEを終了し、展開したフォルダ内のpatch.R111.patch1_install.batファイルを実行することで、 RAD Studioのインストールフォルダ(デフォルトでは、C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥22.0)へサブフォルダも含めてファイルのコピーが開始されます。
なお、macOS向けのPAServerの新バージョンは、Macへ手動でインストールする必要があります。詳しくは、後節の「PAServerのインストール」を参照ください。
PAServerのインストール
- 更新されたPAServerは、デフォルトでは C:¥Program Files (x86)¥Embarcadero¥Studio¥22.0¥PAServer以下に配置されます。このフォルダ内のPAServer22.0.pkgをMacへコピーしてください。
- 既に古いバージョンのPAServerインストールしている場合は、事前にPAServer-22.0とPAServerManagerをアンインストールしてください。
- maPAServer22.0.pkgをクリックし、インストール画面の指示に従い、インストールを実施
- macOSのLaunchpadからPAServer-22.0を選択し、PAServerを起動してください。下図のように「Platform Assistant Server Version 13.1.11.0」と表示されていれば、新しいバージョンのPAServerがインストールされています。
macOS向けのPAServerは、Pythonの設定も必要です。次節の「macOSでのPython設定に関する追加手順」も併せて参照してください。
macOSでのPython設定に関する追加手順
macOS向けのPAServer では、Python2.7を使用する必要があります。以下は推奨する手順です。
- (https://www.python.org/ftp/python/2.7.18/python-2.7.18-macosx10.9.pkg)のサイトからPython 2.7をダウンロードし、インストールを実行
- Python 2.7向けの正しいシンボリックリンクを作成するため、以下のコマンドを実行
- cd /Applications/PAServer-22.0.app/Contents/MacOS/lldb-x86_64/lib/python2.7
- sudo mv Python Python.orig
- sudo ln -s /Library/Frameworks/Python.framework/Versions/2.7/Python Python
アンインストール手順
1. RAD Studioを終了
2a. GetIt経由でインストールしている場合、Catalog Repositoryフォルダ(C:¥Users¥<ログイン名>¥Documents¥Embarcadero¥Studio¥22.0¥CatalogRepository¥11.1Patch-Patch1)へ移動
2b. 手動でインストールしている場合、前節「手動によるダウンロードとインストール」で展開したPatch.R111.Patch1-202204273.zipのフォルダを開く
3. patch.R111.patch1_uninstall.batファイルを実行
4. GetItパッケージマネージャからをRAD Studio 11 Patch 1をアンインストール
RAD Studio 11 Patch 1で解決されたQuality Portalの問題
- RSP-37880 Can’t debug iOS
- RSP-37760 Using ImageList causes IDE to crash
- RSP-37733 IDE Access Violation when Inheriting from a Form with a TListView in DynamicAppearance.
- RSP-37690 GridPanelLayout on form memory leaks on end app — same if not used at all
- RSP-37667 Cannot fit requested classes in a single DEX file (# methods: 71471 > 65536)
- RSP-37665 Code Insight broken for classic compiler
- RSP-37662 Segmentation Fault(11) in SysUtils.Pop on Android64
- RSP-37609 PAServer ships with Python 2.7 dependencies – which are no longer available in macOS 12.3
- RSP-37408 Delayed flag break Exe’s ASLR function
- RSP-37378 Memory leak
- RSP-35040 64bit packets in C++ containing Delphi code do not run
なお、MongoDBのトランザクションに関する問題、TGPUObjectsPoolクラスのvarインスタンスに関するFireMonkeyのメモリ問題(RSP-37690)、AtomicCmpExchange128に関するDelphiコンパイラの問題(一部のプラットフォームで)にも対処しています。