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10.4.xでdbExpressの構成ファイルが欠損している問題の対処

10.4.xで、dbExpressの構成ファイル(dbxconnections.ini)が欠損しているという問題があり、その対処方法について説明いたします。  

RAD Studio/Delphi/C++Builderの 10.4 (または 10.4.1)をインストールする際のインストールスクリプトに問題があり、IDEが必要としているdbExpressの構成ファイルが適切に作成されないことによってエラーが発生いたします。Embarcadero Quality Portal(以下、QP)にも、これらの問題が不具合として報告されています。

(QPへログインするためには、EDNアカウントが必要)

上記の問題は、データベースエクスプローラのdbExpressで新しい接続を作成すると、IDEでアクセス違反が発生します。

なお、TSQLConnectionコンポーネントをフォームに配置し、ConnectionNameプロパティに文字を入力した場合は、適切なエラーメッセージが表示されます。

この問題は、本来インストーラがC:\Users\Public\Documents\Embarcadero\Studio\dbExpress\21.0フォルダ内にdbxconnections.iniならびにdbxdrivers.iniの2つのファイルを作成しなければならないのですが、それが行われず、IDEのパスからdbxconnections.iniファイルが見つからないことが原因となります。(dbxconnections.iniファイルは、dbExpressの接続情報を保持するために必要なファイルです。)

この問題を解決するには、C:\Users\Public\Documents\Embarcadero\Studio\dbExpress\21.0フォルダ内に

上記のいずれかの方法で対処できます。

dbxconnections.iniファイルが所定のパスに存在している場合は、IDEでアクセス違反は発生せず、このファイルに新しい接続に関する情報が追加されます。

なお、下の図のようにC:\Users\Public\Documents\Embarcadero\Studio\dbExpress\21.0フォルダ内に配置されているdbconnections.win.*とdbdrivers.win.*のそれぞれのファイル群は、本来このフォルダ内に不要なファイルなので、手動で削除いただいて問題ありません。

注意:

10.4.xでは、dbExpressライブラリ(DBX)は正式に非推奨となり、保守対象から外されています。このような理由からも、今回のdbExpressの構成ファイル欠損の問題が確認されなかったと推測されます。BDEと同様にdbExpressも、今後サポート対象外となる方針ですので、最適な代替技術として推奨するFireDACへの移行を検討してください。(dbExpressからの移行方法はこちらを参照ください。)

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