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ターゲットプラットフォームのトレンドに関する最新情報

windows desktop versions

モダンWindows開発に関する最近のプレゼンテーションを補足する、興味深いデータをいくつか共有したいと思います。

75%のWindowsデスクトップでWindows 10を使用

出典: https://gs.statcounter.com/windows-version-market-share/desktop/worldwide/#monthly-201709-202009

現在、Windowsデスクトップマシンでは、4台のうち3台でWindows 10が使われています。このマーケットシェアは、2017年後半にWindows 7を上回り、2020年でも10%あまり増加しています。

一方、Windows 7は、18%程度にまで減少しています。これには、1月にWindows 7がEOF(End of Life)を迎えてから、企業がWindows 10への移行を進めてきたことにも関係します。これに対し、Windows 8.1は、4%程度で安定しています。

開発者にとってこの事実が意味するところ

開発者は、これまで以上に、作成したアプリケーションがWindows 10に対応していることを確認しておく必要があります。Windows 10では、さまざまなハードウェアのイノベーションや、利用形態の多様化に対応して、UIレイヤーに抜本的な修正を加えています。これには、さまざまな解像度とDPIに対応するPreMonitorサポートや、HighDPIサポートのための修正が含まれます。

HighDPIサポートは、もはや追加オプションではありません。HighDPIサポートを行っていないと、アプリケーションが特定のディスプレイで正しく表示されなくなり、ユーザーエクスペリエンスの低下を招く恐れがあります。

とはいうものの、現状でも、旧バージョンのWindowsとの後方互換性を保持しておくことは理にかなっています(VCLの新しいWindows 10コントロールの実装では、こうしたサポートがなされており、VCLであれば、Windows 7やWindows 8でも、これらのコントロールを動作させることができます)。

もし、開発しているアプリケーションにHighDPIサポートを追加することを検討している場合には、まずイメージのサポートから始めることをお勧めします。これには、新しいTImageCollectionとTVirtualImageListを利用できます。詳細は、Webセミナービデオをご覧ください。

Windows 10には、さらにいくつかの新しいコントロールやいくつかの新機能があり、これらはRAD Studio(Delphi / C++Builder)においてもサポートされています。これには、Windows 10の通知、Windowsストアアプリのサポートなどがあります。Windows 10固有の機能についてのサマリーは、こちらのブログ記事(英語)にもまとめられています。

WindowsとAndroidが高いシェアを占める

出典: https://gs.statcounter.com/os-market-share#monthly-201809-202009

マーケットシェアには、大きな差が生じています。

デバイスの種類で見ると、モバイルが50.33%、デスクトップが47.04%であるのに対し、タブレットはわずか2.63%のマーケットシェアです。

出典: https://gs.statcounter.com/platform-market-share/desktop-mobile-tablet#monthly-201709-202009

開発者にとってこの事実が意味するところ

このことは、Androidが(そしてiOSも)、既存のデスクトップアプリケーションの技術的な能力を拡張することのできるターゲットとして、重要なプラットフォームであり技術的な資産となったことを意味するのです。これらのプラットフォームは、幅広く採用されているため、その参入障壁は低くなります。そして、製品が提供する価値を高め、開発投資から得られる収益を最大化する、理想的なターゲットとなり得ます。

デスクトップと比較しても、モバイルは既により多くの数が利用されているため、製品のイノベーションをもたらすものとして、これを無視することはできません。モバイルデバイスは、開発者にこれまでとは異なる技術的な機能セットを提供します。つまり、カメラ、加速度センサー、コンパスなどです。これらをデスクトップソリューションと組み合わせれば、データの取得に関して、革新的な手法が可能になります。

Delphiのコアシステムライブラリはクロスプラットフォームなので、単一のコードベースによって、モバイル開発へとすばやく進出できます。ビジネスロジックの大部分は、WindowsからiOSやAndroidへと、すばやく移行できます。

Delphi Enterprise版には、ロイヤリティフリーで使用できるモバイル向けデータベース「InterBase ToGo」が含まれているため、これは検討の価値があります。データベースの完全なオンディスク暗号化は、最高レベルのセキュリティを確保します。こうした機能は、一般的にエンタープライズサーバー用に提供されるものですが、InterBaseでは、軽量で高度に分散可能なデータベースにおいても利用できます。

ローカルアプリケーションとモバイルを一緒に利用することを検討している場合(そしてデータを処理のために集中化する必要がない場合)は、AppTetheringのユニークなアプローチは評価してみる価値があるでしょう。AppTetheringは、サーバー環境にデータをプッシュすることなく、ローカル環境でデータ交換ができるため高速です。AppTetheringに興味がある方は、ぜひこちらのWebセミナービデオをご覧ください。

一方、リモート環境に既存のビジネスロジックを配置し、リモート環境からアクセスできるようにするには、RAD Serverを利用するのがよいでしょう。RAD Serverについても、さまざまな情報が掲載されています。詳細は、こちらをご覧ください。

地域別の傾向を知るには

地域ごとの固有の傾向を詳細にご覧になりたい場合には、https://gs.statcounter.com/ にアクセスし、Fusion Charts(最近Ideraグループの一員にもなりました)を利用したインタラクティブチャートを使って、地域を選択してください。

このブログ記事は、Stephen Ballのテクニカルブログに掲載された記事「Key Target Platforms Update」の抄訳です。

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