この記事はDavid MillingtonによるKey Improvements in RAD Studio 10.3.1の抄訳です。
Mi
RioへのポイントリリースであるRAD Studio 10.3.1をリリースしました。強調したいのは、このリリースにはたくさんの大きな改良が含まれていることです。
Table of Contents
RAD ServerコンソールUI
RAD Server はREST / JSONなどのサービスを構築するためのプラットフォームです。これはキーワード駆動でのRAD Serverの典型的な説明です。それを考えた場合に1つの優れた特徴は、新しいサービスを作成する方法だけではなく(これも大変有用ですが)、既存のデスクトップアプリケーションをインターネット対応にするのが簡単であることだと言えます。既存のWindowsアプリケーションについて、顧客がオンラインサービス版を望んでいるとしましょう。アプリケーションロジックをウェブバックエンドサービスに変えるのにRAD Serverを使い、そしてExt JSなどで小さなフロントエンドを書いてください。
10.3.1では、RAD Serverコンソール用の新しいUIが利用できます。これは単に使いやすいというだけではなく、Ext JSで書かれているのです。
これについては Marco のブログ記事をお読みください。
iOS 12およびiPhone Xシリーズのサポート強化
Appleは今年2019年3月から新しい要件を App Store に適用します。アプリはiOS 12.1 SDKでビルドし、iPhone XS MaxとiPad Proを完全にサポートすることが必要となります。
10.3.1ではこのSDKのサポートを追加し、これらのデバイス用のアプリアイコンとスプラッシュイメージの対応も追加しました。iPad Proのネイティブ解像度もサポートしています。iPad Proをターゲットとする場合に素晴らしい追加機能です。これについては Sarinaのブログ記事をお読みください。
IDE の生産性を向上させるツール
エディタでコードを書くときに最も重要なことの1つは何でしょうか?コードの間の移動や、コードの便利な部分または重要な部分を見つける作業が容易に行えることです。
RAD Studio 10.3.1では、ナビゲーションを高速化することを目的とした2つの新しい生産性向上ツールが追加されました。 BookmarksやNavigatorと呼ばれる機能で、GetItから入手できます。
Bookmarks は、作業中の場所を記録し、そこにすばやく戻る機能を提供します。
IDEに標準で組み込まれているコードエディタのブックマークを、無制限の番号、配置するための単一のショートカット、それらの名前などの場所に関するコンテキスト情報を含むドッキング可能なウィンドウに置き換えます。(たとえばキャレットのブックマークなど。キャレットのブックマークとは何か?と疑問に思った方は、こちらのブログ記事を読んでください。)
Navigator はそもそも重要なコードを見つける機能で、現在はDelphiでの開発に利用できます(C++は未サポート)。Ctrl+Gを押すと、現在のユニットのすべての重要な部分のリスト – メソッド、型宣言、uses句、すべてが表示されます。あなたがプロパティのgetterの裏にあるメソッドを見たければ、それをすることができます – たとえば “prop Foo read”とタイプすると、プロパティFooのためのgetterを示すでしょう。
さらに DelphiとC++の両方に有用な機能として、コードエディタにミニマップが追加されます – スクロールバーの置き換えとなり、コードがより可視化されます。これに関する詳細はブログ記事をお読みください。
VCLとFireMonkeyの新しい15のスタイル
UIライブラリが提供する最もインパクトのある機能の一つは包括的なテーマです。VCLを使用すると、アプリ全体にテーマを適用できます。これは完全にカスタマイズされているように見えるにもかかわらず、実際のネイティブWindowsコントロールを使用しています。
クロスプラットフォームのUIライブラリであるFMXもまったく同じです。ベースとなるコントロールの使いやすさと機能を維持しながら、多くの開発者がテーマを使用して自分のアプリに視覚的に異なるユーザインタフェースを提供しています。
実際、RAD Studio自身も、VCLスタイルを使用して独自のWindows UIを使用し、きれいな、そしてすぐにRAD Studio / Delphi / C ++ Builderとして認識できるUIを実現しています。
10.3.1では、10個の新しいVCLスタイルと5個の新しいFireMonkeyスタイルが追加されました。それらはどれも素晴らしく見えます – 私の個人的なお気に入りはFMXスタイルの “Stellar” で右のスクリーンショットのように夏の空色のテーマです。
これらのスタイルの多くは、さまざまなカラーバリエーションを含みます。詳しくはSarinaのブログをお読みください。
FireDAC での Firebird サポートの追加
Firebirdはオープンソースのデータベースです。最近までは、FirebirdとInterBaseは同じFireDACドライバを使用していましたが、10.3.1では別々のドライバに分割されています。これにより、Firebird 3.0とFirebird Embeddedのサポートを含む、Firebird独自の機能をいくつか追加しました。詳しくは Marco のブログ記事をお読みください。
HTTPおよびSOAPクライアントライブラリの機能強化
これらは重要なライブラリです。Windowsでは、HTTPライブラリでの圧縮展開のサポート、クライアント証明書のサポート、およびその他のSOAPの改善など、いくつかの新機能が追加されました。下記ページの Additional Information の箇所をご確認ください。
What’s New page under Additional Notes.
C++ Clangの改善
10.3.0で、Win32向けに新しいC++17コンパイラをリリースしました。10.3.1では、コンパイラとRTLの両方に対して多くの改良と修正が行われました。このリリースはインストールする価値があります、そして10.3と10.3.1がWin32とWin64のために新しいバージョンのDinkumware STLを含んでいることをお忘れなく。(Win64では、まだC++17コンパイラを提供していませんが、Dinkumwareライブラリは両方の目的で利用できるようにしています。Win64で言語の変更を必要としないC++17の部分、たとえばstring_viewを使用できます。)
品質改善
今回のリリースでは、品質に重点が置かれ、 顧客から報告頂いた150以上のバグと問題が修正されています。
…更に!
RAD Studio 10.3.1の新機能は他にもたくさんあります。たとえば、iOSでのTEditのキーボード操作が改善されたこと、またはIDEツールバーでの奇妙な動作が解決されたこと、またはAndroid 9向けのAndroidマニフェスト設定を更新したことをご存知でしょうか(10.3で Android 9 向け開発を行う場合は、TargetVersion のパラメータ変更が必要でした)。また、AndroidでのTMapViewとTWebBrowserの描画を改善したことや、JSONライブラリの改善をご存知でしょうか?
10.3.1で新しく追加された機能の詳細については、docwikiの「10.3 Rio – Release 1 のページ」をご覧ください。
インストーラーは、下記の登録ユーザ向けダウンロードページより入手いただけます。
- RAD Studio: https://cc.embarcadero.com/reg/rad_studio
- Delphi Rio: http://cc.embarcadero.com/reg/delphi
- C++Builder Rio: http://cc.embarcadero.com/reg/c_builder
DelphiまたはC++Builder 10.3.1がすばらしいリリースになれば幸いです。