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2020年3月のGMアップデート

この記事は、Atanas PopovによるGM Updateの抄訳です。

現在、世界中で新型コロナウィルスCOVID-19の影響を受けその対応を進める中、グローバルコミュニティとエコシステムの強度がこれまで以上に重要になっています。そして、私たちの製品フォーカスは、将来に向けて準備することです。DXはさらに加速して進んでいきますが、予算は厳しくなり、RAD Studioを活用するべき場面が増しています。高品質のアプリケーションを迅速かつ効率的に提供できるような高い生産性を実現したツールはそう多くありません。多くの企業は、プラットフォームを新たに構築するような高コストでハイリスクの選択を回避するようになるため、モダナイゼーションはより妥当な選択肢となります。私たちはこうした状況に備え、これからの課題も克服してまいります。そして、コミュニティと製品がさらに活躍できるように努めていきます。

Delphiは、最も生産性の高い開発ツールであり、あらゆる産業分野で利用されているため、COVID-19対策をサポートするソリューションのひとつが、Delphiによって開発されたことは理解できます。ドイツの企業であるBS Softwareは、ドイツ国内の研究所と患者間の直接的なコミュニケーションを可能にするiOSおよびAndroid向けモバイルアプリを、Delphiによって構築しました。世界におけるDelphiの貢献度は非常に高く、この事例は、世界をよりよく変えてきたDelphiの実績の一例にすぎません。

Delphi 25周年

ストレスの多いこの激流の時代に、成功を喜び分かち合うことは重要です。Delphi 25周年は、私たちのコミュニティと製品対する情熱の強さを示したできごとでした。私たちは、Delphiの長い歴史を支えてきた責任者たちを招き、彼らの実体験を共有しました。DelphiやRAD Studioとともに多くの人々がそのキャリアやビジネスを成功に導き、それを継続しているということは、とても印象深いことでした。しかし、そうした努力は、Delphiを人気のあるプログラミング言語中の中で正当なポジションに復帰させることに対して、私たちがまだ途上にあることも明らかにしました。私たちは、Delphiのプロモーションを継続していかなければなりません。影響力のあるソーシャルコンテンツの作成に精通した若い開発者を増やすことはこれに貢献しますが、Delphiが妥当な選択肢であることを示し続けるには、やはり多くのユーザーが必要です。しかし、Delphiを使用した多くのすばらしい開発プロジェクトでは、Delphiの使用について言及されていません。ぜひこれを変えましょう。そのやり方に制限はありません。ぜひ一緒に取り組みましょう。

  

Delphiによるモダナイゼーション

私たちは、この危機に際して、どれほどの数のDelphi製アプリケーションが実行されているかを認識しています。警察、病院、防衛、政府の主要なシステムにおいてDelphi製アプリケーションが使われていることを、私はよく聞かされます。米国では、デジタル化の流れが早く、COBOLやIBMiで構築された「レガシー」アプリケーションが数多くありますが、ヨーロッパやラテンアメリカ、その他のリージョンではデジタル化が後発だったので、当時最も著名で効率的だったツールとして、RAD Studioが選択されました。何千ものアプリケーションが現在も現役で使われており、将来のモダナイゼーションに向けた難問を突き付けています。数年前までは、JavaやC#への移行が検討されていましたが、現在ではまったくその選択肢はありません。Delphiによってモダナイズする方がはるかに低コストで済み、RAD Studioアプリケーションの外観も優れているからです。Webクライアントという選択肢も多くありますが、多くのお客様は新しいアプローチ、すなわち「仮想化」を選択しています。ツールの進化は劇的に進み、美しいWindowsデスクトップアプリケーションは、Web上ですぐに実行でき、任意のOSからアクセス可能になっています。Amazonなどの多くのベンダーがソリューションを提供していますが、Delphi向けに特化したお勧めのソリューションが、パートナー企業であるCybeleから提供されています。

Cybeleが提供するThinfinity VirtualUIは、既存のVCLないしはFireMonkeyネイティブデストップアプリケーションを簡単にWebに移行させることができます。Windowsアプリケーションにコードを1行追加し、Thinfinity VirtualUI Serverを配布用にインストールするだけです。

Delphiモダナイゼーションのためのリソース

モダナイゼーションの取り組みにおいては、信頼できるパートナーが鍵となります。こうしたプロジェクトは単純ではなく、多くの経験が必要です。これは、お客様に提供するべきリソースを公開するという点で、まだまだ改善が必要な領域です。現在、エンバカデロでは、コンサルティングパートナーディレクトリの更新を進めています。経験を有する企業は、ぜひ情報をお寄せください。ほとんどのリセラーパートナーは、各国でコンサルティングサービスやプロの人材提供サービスを行っています。そして、こうしたパートナーが、レガシーアプリケーションをモダナイズした事例をいくつか紹介してきました。私が特に気に入っているのはオーストラリアのMalcolm Groves氏(Code Partners)の事例です(彼らはDelphi Magazineも出版しています)。アップグレードに役立つツールも数多くあります。いくつかのパーサーは製品に付属するかたちで提供していますが、より洗練されたものが、例えばDelphi Parserから提供されています。創業者であるOren Aviram氏は、大規模なアップグレードプロジェクトに、個人的にも参画した経験を持っています。そしてもちろん、TMSのようなコンポーネントパートナーも、Web対応やアプリケーションのモダナイズに役立つ革新的なソリューションの構築を続けています。外注業者が必要な場合には、Upwork のようなサービスを使うことで効率化が可能です。こうしたサービスでは、プロファイルを投稿して仕事を探したり、必要なリソースを探すのに適切な場を提供しています。

RAD Studio 10.4「Denali」ベータ

現在、10.4のベータリリースを複数回実施する作業を進めています。10.4は、多くの新機能や機能改善を含み注目のリリースとなる予定です。ベータリリースについては、Sarinaの最新ブログ記事をご覧ください。品質を高めるために、複数回のベータリリースを実施する予定です。MVPやテクニカルパートナー向けベータのあとに、すべてのアップデートサブスクリプションユーザーを対象として、NDAに基づいたプライベートベータへの早期アクセスを受け付けます。これは、アップデートサブスクリプションプログラムの特典のひとつでもあります。ぜひ、アップデートサブスクリプションの有効期限をご確認いただき、失効しないようにお手続きをお済ませください。

C++へのフォーカスの強化

Delphiと比較すると、C++への寵愛は薄いのではないかという批評をしばしば耳にすることがあります。確かに、Delphiに対しては、その主席管理人という立場から、特別な思いを寄せているのは事実で、より多くのDelphiユーザーを抱えています。一方、C++はその普及のために、私たちの力をほとんど必要とはしていません。しかしながら、C++サポートについて、製品をよりよくしていくことは、高いプライオリティになっています。10.4と10.4.1の双方で、C++Builderの新機能と機能改善が含まれる予定です。最近のClangコンパイラのアップグレード作業は非常に複雑で、その結果品質上の問題が発生したことは認識しています。10.4では、その多くが解決されると確信しており、Whole Tomatoが提供するVisual Assist機能の統合も、いよいよ10.4.1で実施される計画です。お客様からは、C++Builder+VCLを、ハイパフォーマンスWindowsアプリケーションを構築するための最適なビジュアル開発環境にするべきだというご意見をいただいており、これに応えていかなければなりません。

InterBase

InterBase 2020のリリースに際しては、多くの注目を集めました。シンプル化されたアクティベーションプロセスにより、実に多くのトライアルのお申し込みをいただきました。RAD Studio 10.3.3には、すでにInterBase 2020が含まれており、その開発ライセンス(Developer Edition)を利用できます。さらに、RAD StudioにはIBLiteも含まれており、すぐに使えるモバイル向けの配布ライセンスも付属しています。また、VAR向けには、InterBaseの導入をさらに容易にする価格とパッケージの変更が施されました。RAD Serverとの組み合わせについても、新しい配置用ライセンスオプションにより改善されています。これらのオプションについては、お問い合わせください。

今後ともエンバカデロ・テクノロジーズをよろしくお願いします。困難な時代にあっても、皆さんと共に歩んでいきたいと考えています。

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