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GitHub買収はRAD Studioにとってどのような意味を持つのか?

マイクロソフトが6月4日に発表したGitHubの75億ドルでの買収は、開発者コミュニティの大きな関心を集めています。Hacker Newsでは、Redditと同様、さまざまな反応が見られました。Twitter上では、いくつかのスレッドが続いています。Motherboardによれば、オープンソースの競合Gitlabでは1週間で5万プロジェクトが移行してきたといいます(オープンソース企業がマッチする方は、Gitlabのダッシュボードにアクセスすれば、一気に増加してきたGitlabへの移行状況を確認できます。#movetogitlabが本件に関するハッシュタグです)。Reutersによれば、マイクロソフトはこれまで永くとってきたスタンスとは異なり、これをあまり問題視していないようです。この買収に関連するSatya Nadella氏のブログ記事では、GitHubをオープンにし続けることを約束しています。多くの視点は非常にポジティブです。

このことは、RAD Studioや皆さんにとって、どういう意味があるのでしょうか?

Github vs git

GitはGithubではありません。これは重要な点です。Gitはバージョン管理システムであり、Githubはそれを容易に使えるようにしたWebサイトです。

RAD Studioには、SubversionとMercurialと同様に、gitサポートが組み込まれています。RAD StudioでGithubのプロジェクトを使用し、SourceTreeのようなgitクライアントを使用する場合、Github特有のものは何もなく、gitのみです。

つまり、RAD Studioは、Githubをサポートするだけでなく、セルフホスト型、リモートホスト型、Gitlabなど、あらゆるgitシステムをサポートしています。

私たちが2017年4月に実施した開発者向け調査では、一部の開発者はソース/バージョン管理システムをまったく使用していない実態が明らかになりました。プロジェクトでは、バージョン管理システムを使用することを強くお勧めします。その理由について説明したすばらしい記事はこちらです。Subversion、git、Mercurialのどれを選択してもかまいませんが、いずれにしても何らかのソース/バージョン管理システムを使用するべきです。RAD Studioには、これらのバージョン管理システムのサポート機能が搭載されているほか、プラグインで他のシステムもサポートできます。インストール後に初めて起動した際に表示される一連のダイアログで、使用するソース/バージョン管理システムのフロントやセンターを設定できます。

偶然、私たちのスタッフの一人から、Atlassianがgitを学ぶための無料コースを提供していることを、今日メールで知らされました。

オープンソースに対するマイクロソフトのアプローチ

買収に関する懸念を表明するほとんどのコメントでは、過去の行動を理由にマイクロソフトに不信感を抱いているようです。マイクロソフトのCEO、Satya Nadella氏は、自身のブログ記事でこれを認めているようです。

「オープンソースへの私たちのコミットメントについては、私たちのごく最近の行動、現在の行動、そして将来の行動によって判断してください。」

開発者がマイクロソフトの歴史に対して懸念しているのは、Githubだけではありません。多くの人にとって、今回のできごとは90年代から2000年代初期の方針、そして過去の反オープンソースの方針を想起させるのです。しかし、これらはここ数年の間に、根本的な変化がありました。実際、マイクロソフトはオープンソースを採用しており、クロスプラットフォームへと拡張し、Xamarinの買収、Visual Studio Codeのリリース、Windows内でのLinuxサポートの提供を行い、gitを内部で使用するとともに、コミュニティへの貢献も果たしています。Githubの買収は、最近の傾向に沿ったものです。

そして、Githubは出口戦略を必要としていました。こちらのArs Technicaの記事によれば、3億5,000万ドルの投資と明らかに高い金利に加え、ホスティングのためだけに開発者に課金することを拒否した結果(これは賞賛に値することですが)、何らかの買収を求める結果となったのです。Githubの買収によりGithubを救済できるので、その結果、開発者コミュニティ全体に大きな利益をもたらすこととなります。

開発者

Githubの買収は、オープンソースに関することがらにはとどまりません。以下に引用したStratcheryの分析によれば、実際のところ、これは顧客獲得に関する買収であるといえるのです。

「これはGitHubの買収についての考え方です。開発者を引き付けるのに十分なユーザーがいるプラットフォームがないため、マイクロソフトは優れたツールの提供によって開発者を直接獲得しなければなりませんでした。しかし、すぐれたクラウドサービスであるGitHubを用いることで、そのネットワーク効果は劇的に高まります。問題は、ユーザーの利便性を欠いたこのような方法で開発者を獲得することは、非常に高コストであるということです。実際、GitHubがこれまで生み出してきた利益が、この買収価格を正当化するようなものであると考えるのには相当無理があります。」

Satella氏は、Githabの今後について、次のように強調しています。

「開発者ファーストのスタンスを維持し、独立したオペレーション、オープンプラットフォームを維持します。」

マイクロソフトは、結果としてGithubの2800万人のユーザー、オープンソースで提供されたユーザー情報、オープンソースのサポーターとしてのネットワーク効果をも獲得しています。

RAD StudioとGit

RAD Studioにとって、また皆さんにとってこれはどのような意味があるのでしょうか?

RAD Studioでは、Githubを含むgitリポジトリをRAD Studio内で使用できるようにサポートしています。

Githubは、DelphiやC++Builderの多くのユーザーによって、オープンソースプロジェクトのホスティングに利用されています。私たちもこうした利用を推奨しており、その結果、DelphiやC++Builderのプロジェクトが共有され、利用可能になります。

エンバカデロもGithubアカウントを所持しています。まだ私たちのすべての資料がオンラインになっているわけではありませんが、部分的にSourceForgeからGithubへの移行を進めており、今回の買収によっても、その計画を変更する考えはありません。

まとめ

今回のGithabの買収は、Delphi開発者C++Builder開発者を含む、開発者のエコシステムの中核部分であるGithubの支援につながると考えており、大変エキサイティングなできごとであると捉えています。

エンバカデロが使用しているGithubアカウントについては、こちらのページをご覧ください。

締めくくりにあたり、git、Github、Gitlab、あるいは別のホスティングサービスのいずれでも構いませんが、ソースコントロールを使用することを強くお勧めします。RAD Studioは、gitを含む主要なバージョン管理システムを幅広くサポートした開発ツールであり、ぜひ、そのうちのひとつを使用するようにしてください。

 

この記事は、David MillingtonによるWhat does the GitHub acquisition mean for RAD Studio?の抄訳です。

 

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