Embarcaderoは、プロフェッショナル向けDelphi開発環境の最新無償エディションであるDelphi 13 Community Editionの提供開始を発表しました。
Delphi 13 Community Editionは、バージョン12.1からバージョン13「Florence」リリースへと進化しました。これにより、学生、趣味で開発を行う方、個人開発者、および利用条件を満たすスタートアップ企業は、バージョン12.2、12.3、13.0で提供されたDelphi言語やフレームワークの機能強化を利用できます。これには、Android 15およびiOS 18に対応したモバイル開発機能も含まれています。
注:Community Editionには、IDEに搭載されたAIコーディングアシスタント「Kai」は含まれておらず、サポートもされません。Kaiは、有償版向けのプレミアムアドオンとして別途販売されています。Kaiの機能を試用してみたい方は、RAD Studioトライアル版をご利用ください。
Delphi Community Editionとは
Delphi Community Editionは、Delphi言語を使用してネイティブアプリケーションを構築できる、すべての機能を備えた無償版のDelphiです。プロフェッショナル向けIDE、ビジュアルデザイナ、統合されたコンパイラとデバッガ、Windows開発向けのVCLフレームワークに加えて、共通のコードベースからWindows、macOS、iOS、Android向けのネイティブアプリケーションを作成できるFireMonkeyフレームワークが含まれています。
Community Editionは、Community Editionのライセンス条件を満たす学生、趣味で開発を行う方、フリーランス、および小規模な開発チームを対象としています。
Delphi CE 13の新機能
Delphi 12.1 Community EditionからDelphi 13 Community Editionへ移行することで、言語、IDE、フレームワーク、プラットフォームに関する数多くの機能強化を利用できるようになります。
Delphi言語の新機能
Delphi 13では、サポート対象の各プラットフォームで利用できる、Delphi言語の便利な新機能がいくつか追加されています。
ifキーワードを使用して実装された、新しい条件式(三項演算子)- 識別子の名前を文字列として返す、新しい
NameOf組み込み関数 - より明確で自然な式を記述するための、新しい
is not演算子とnot in演算子 - コンパイラオプションを保存および復元するための、新しい
{$PUSHOPT}コンパイラ指令と{$POPOPT}コンパイラ指令 - 呼び出し元へ制御を戻さないプロシージャのための、新しい
noreturn指令 - ジェネリック型制約の改善
- カスタムマネージドレコードの
Initialize演算子とFinalize演算子における、暗黙的なSelfパラメータ
これらの新機能により、Delphi言語の読みやすさと強力なネイティブコード基盤を維持しながら、より表現力の高いコードを記述できます。
より高機能になった開発環境
Delphi 13 Community Editionには、更新された32bit IDEと、64bit Windowsアプリケーションの開発およびデバッグに使用できる新しいネイティブ64bit IDEが含まれています。ネイティブ64bit IDEでは、はるかに大きなアドレス空間を使用できるため、特に大規模なプロジェクトにおける安定性が向上します。
IDEには、以下の機能も含まれています。
- 大規模なプロジェクトへの対応を改善した64bit Delphi言語サーバー
- プロジェクトマネージャ、構造ビュー、メッセージ、イベントログなど、IDEの主要なペインにおける検索およびフィルタリング
- コーディングに集中できるフォーカスモード
- 変更、ブックマーク、エラー、警告の位置を示すエディタのスクロールバー注釈
- エディタービューの分割
- 再導入されたClassic Delphi CodeInsightエンジンを使用するオプション
- 利用可能なパッケージの特定バージョンを選択できるGetItのパッケージバージョン管理
- Delphiのコードツール、デバッグ、IDEの応答性、安定性、および品質に関する数多くの改善
FireMonkeyの改善
FireMonkeyは、引き続きDelphiのマルチデバイス開発を支える基盤です。Delphi 12.1以降、次のような幅広い機能強化が加えられています。
- より滑らかで安定したアニメーションを実現する、新しいDisplay Linkサービス
- GPUアクセラレーションによるビットマップコピーの高速化
- 新しい
TMaskEditコンポーネント - 新しい
TApplicationEventsコンポーネント - コントロールを中央に配置するための新しい整列オプション
- スクロール、バウンス、およびタッチ操作に関する追加設定
- スペルチェック機能の拡張
- Skia4Delphi統合の更新
- 全般的なパフォーマンス、プラットフォーム統合、および品質の改善
Windows向けVCLの改善
Delphi 13では、Windowsネイティブ開発向けのVCLフレームワークにも、次のような機能強化が加えられています。
- スタイルに対応したカスタムタイトルバー
TControlList、TFormTabsBar、TToggleSwitchの改善TActionMainMenuBarのスクロール対応TEdgeBrowserにおけるWebView2統合の更新- Windows APIおよびWinRT APIのサポート拡張と更新
モバイルプラットフォーム対応の更新
Delphi 13 Community Editionの重要なメリットの1つが、モバイル開発環境の更新です。
Android向けには、更新されたAndroidツールチェインを使用して、32bitおよび64bit ARMネイティブアプリケーションを構築できます。Android APIレベル35をターゲットとし、16 KBメモリページサイズなどのAndroid 15の機能にも対応しています。また、Android SDKおよびNDKとの統合、配置ツール、Javaライブラリのインポート、Java2OPブリッジも改善されています。
Appleプラットフォーム向けには、Delphi 13でiOS 18用のネイティブiOSアプリケーションを開発できます。これには、実機とApple Silicon搭載Mac上のiOSシミュレータの両方に対応した開発環境が含まれます。また、このリリースではiOS APIヘッダーが拡充され、プラットフォーム統合も更新されています。
これにより、Delphi開発者は引き続き、FireMonkeyの共通コードベースを使用して、現在のAndroidデバイスとiOSデバイスをターゲットとするネイティブアプリケーションを開発できます。
Delphi Community Editionを利用できる方
Delphi Community Editionは、以下の方を対象としています。
- 学生:プロフェッショナルレベルの開発ツールを使用して、プログラミングやネイティブアプリケーション開発を学びたい方
- 趣味で開発を行う方:個人用途のアプリケーションを開発する方
- フリーランスおよび個人開発者:開発したアプリケーションによる年間収入が5,000 USドル未満の方
- スタートアップ企業および組織:年間売上が5,000 USドル未満で、開発者が5名以下のチーム
Delphi Community Editionは無償で提供され、有効期間が1年間のライセンスと、一定の条件下で商用利用できるライセンスが含まれています。Community Editionを使用してアプリケーションを開発し、利用条件の範囲内で販売することもできます。詳しい条件については、使用許諾契約をご確認ください。
Community Editionは、製品の試用や評価を目的としたエディションではありません。Community Editionの利用条件を満たしているか分からない場合は、すべての機能を30日間試用できるRAD Studioトライアル版をご利用いただくか、Community Edition License FAQをご参照ください。また、通常のDelphi商用ライセンスをすでに所有している組織では、Community Editionを使用できません。
Community Editionの利用条件を満たさなくなった場合は、商用利用の制限がなく、永続ライセンスとして提供される有償版へアップグレードしてください。有償版は、Delphi、C++Builder、RAD StudioのProfessional、Enterprise、Architect Editionから選択できます。
Community Editionは、個人または利用条件を満たすスタートアップ企業などが利用できる製品です。Community Editionを利用している企業の年間売上が5,000 USドル以上に達した場合、または開発チームが5名を超えた場合は、Professional以上の有償エディションを購入する必要があります。個人で利用している場合は、作成したアプリケーションやコンポーネントによる年間収入が5,000 USドル以上に達した時点で、有償エディションへの移行が必要です。Community Editionの利用条件を満たさない企業ユーザーがCommunity Editionを使用すると、試用目的であってもライセンス違反となりますのでご注意ください。企業ユーザーは有償エディションを購入するか、製品の試用・評価には無料のRAD Studioトライアル版をご利用ください。
Delphi 13 Community Editionのダウンロード
Delphiを初めて使用する方、ネイティブアプリケーション開発を学ぶ方、Delphi 12.1 Community Editionからアップデートする方のいずれにとっても、Delphi 13 Community Editionは、Windowsおよびモバイルプラットフォーム向けの高速なネイティブアプリケーションを構築するための、モダンで生産性の高い開発環境を提供します。
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