大規模なStackOverflowサーベイでDelphiがリストされたのは、昨年に続き今回で2年目になります。そしてその結果は、いくつかの領域では拮抗するものの、概ね昨年よりも良い数値になっています。
プログラミング言語「Delphi」は、最新のStackOverflowデベロッパーサーベイで正式にリストアップされました。これは、昨年にもリストされましたが、今年も（特定のカテゴリーでRAD Studio IDEも含めて）リストされています。
この調査は、一見の価値のある一般的な質問によって、開発者の現状を理解できるよい情報を提供してくれます。ここでは、この調査の技術セクション（https://survey.stackoverflow.co/2022/#technology-most-popular-technologies）にフォーカスして解説します。
昨年、上位にランキングされた言語は、JavaScript、Python、Javaで、TypeScriptがこれに続きます。今年の調査では、TypeScriptが3位となり、Javaを抑えてのランキングです。Delphiの投票数は、昨年は2.1%であったのに対し、今年は3.25%（2,311票）に上がっています。プロフェッショナルの開発者に限定するともう少し上がります（3.51％）。上位のプログラミング言語には含まれませんが、非常に興味深い結果であり、この業界内でも積極的に使われ続けていることを示しています。この増加は、調査に回答した開発者の人口統計の変化を示している可能性が高いことを指定しておきます。つまり、2021年以降、Delphiの人気が増加したということではなく、実際の開発者の使用傾向を示したということです。
ただし、IDEに関して見ると、言語としてのDelphiの数字よりもRAD Studioの割合が低いのは、少し奇妙な結果です。「RAD Studio (Delphi, C++ Builder)」は、Visual Studio CodeとVisual Studioが多くを占めるこのカテゴリで、2.69%を獲得しています。
もう1つの興味深い情報は、「Loved vs. Dreaded」カテゴリです。このカテゴリは、対象の技術に対して好意的かどうかを示していますが、Delphiが65%という上位グループに入る賛成票を獲得しています。昨年は50%を下回っており、下位にリストされていました。RAD StudioもIDE部門で上位にランキングしており、Visual Studioをはるかに上回っています。あまりポジティブではない項目としては、Delphi開発者の平均給与があります。その値は、（C++やC#と比較して大きく下回るものではありませんが）高い水準ではありません。これは、恐らく、米国よりも平均給与の低い開発途上国に、多くのDelphi開発者がいることに影響していると思われます。
他の領域では、PostgreSQLの台頭（プロフェッショナル開発者の中でトップのデータベース）とAWSが継続的に首位の座を維持している（AzureとGoogle Cloudのほぼ2倍）点が注目されます。
全体として、この調査は、非常に興味深い結果を示しており、そのデータは確定的なものではありませんが、ベンダーや特定の開発者コミュニティに紐づかない優れた調査であり、他の類似の調査と比較しても、重視すべきです。いずにしても、StackOverflowサーベイで、Delphiがよいポジションを獲得したことは、歓迎すべきでしょう。