2019年5月付ロードマップとPMによるロードマップ解説ブログ記事のアップデートを共有するブログ記事の抄訳です。
Delphi向けmacOS 64-bitサポート、Windows 64-bit向けC++17、新しいRAD Serverツール機能、その他の主要な品質強化(お客様からの400のリクエストに対応)などを施したバージョン10.3.2リリース後のフォローアップとして、Delphi向けAndroid 64-bitといった主要な新プラットフォームサポートを提供するバージョン10.3.3のリリースを計画しています。
お客様からは、Android 64-bitサポートについての数多くのご要望を受け取っています。10.3.3のリリースにより、これを迅速に提供するとともに、10.3.2で開発したアプリやコードと完全な互換性を保つことを可能とします。
Delphi言語およびそのベースにあるメモリ管理モデルについて、10.3.3では大きな変更が加えられないため、お客様はアプリケーションをAndroid 64-bitに迅速に移行できるでしょう。同じことは、コンポーネントベンダーにも当てはまります。ARCメモリ管理を削除するDelphi言語の変更をモバイル向けにも適用することを計画していますが、これはさらに後で行われることになります。
10.3.2の採用率が高いため、10.3.3へアップグレードする方式は、アプリケーションを10.4に移行するよりも、より迅速な方法となるでしょう。また、10.3.3には、追加機能や品質改善も含まれる予定で、10.3.3がRAD Studioのベストバージョンの1つとなることでしょう。
DelphiおよびC++Builderのお客様向けのGoogle Play Storeの延長申請は、既存の32-bitアプリケーションに対して有効であることに注意してください。これにより、お客様は延長申請が受理されたのちに、2020年8月までGoogle Play Storeの既存アプリケーションに対してアプリケーションの更新を提供できます。10.3.3では、Android 64-bitアプリの完全なサポートを含めることによって、Delphiにおけるこの制限を取り除きます。
コードネーム「Sugarloaf」と呼ばれる10.3.3リリースのNDAベースのベータプログラムを、今月後半に開始する計画です。アップデートサブスクリプションのすべてのお客様は、ベータ版に参加するよう招待され、ベータ版を用いてアプリケーションの移行作業を開始できます。ベータ版には、Google Play Store向けの配布を許可する特定のベータ使用許諾契約(EULA)免除が含まれます。
10.3.3で計画しているアップデートは以下のとおりです。
プラットフォーム強化
- iOS 13およびmacOS Catalinaサポート
- DockerによるRAD Server配置サポート
C++
- C++ライブラリサポートの拡張
Delphi
- Android 64-bitサポート
ユーザーエクスペリエンス
- IDE UI/UXのさらなる改善
- 新しいダウンロード/ライセンスポータル
品質フォーカス領域
- VCLおよびFMX向けApp Tethering
IDEの品質
- C++ツールチェインのパフォーマンスと品質改善
今年の秋に10.3.3が追加されたことにより、10.4のリリースは、2020年前半に変更されました。2019年5月のPMによるロードマップ解説のブログ記事で説明したとおり、10.4ではコーディングツール、言語機能の強化、VCL High DPIスタイル、RAD Serverの機能強化、FireMonkeyの機能強化や品質改善などが含まれます。
注意:これらの計画とロードマップは、現時点でのエンバカデロの方向性を示したもので、開発計画とその優先度は、変更される可能性があります。従って、ここに記載した製品機能や提供スケジュールのいずれについても、その提供をお約束するものではありません。また、製品スケジュールや製品ロードマップは、いずれの契約を中止ないしは置き換えるものではなく、お客様が利用されている製品のアップグレード、アップデート、機能改善、他のメンテナンスリリースについては、ソフトウェアライセンス契約に基づいて提供されます。