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2024年エンバカデロ製品リリースのまとめ/業界動向

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昨年末に、Sarina DuPontより、2024年にリリースされたエンバカデロ製品と業界動向について振り返るブログ記事が投稿されました。この記事は、その抄訳です。

2024年が終わるにあたり、同年にリリースされた主要なエンバカデロ製品と業界のトレンドについて振り返り、エンバカデロ製品をご愛顧いただいているユーザーの皆さんに感謝の言葉を述べたいと思います。

エンバカデロ – 2024年リリースまとめ

2024年4月、RAD Studio 12の最初のアップデートとなるRAD Studio 12.1 Athensをリリースしました。RAD Studio 12.1 Athensでは、RAD Studio 12で導入された新機能の強化、さらなる機能改善、ユーザーの皆さんから寄せられたリクエストへの対応にフォーカスしました。12.1では、12.0で初めて搭載された新しいC++ Win64 Clangベースコンパイラとツールチェインの開発も完了しました。また、IDEに分割エディタービューのサポートも導入されました。この機能を使用すれば、複数のエディターを同じウィンドウに上下あるいは左右に、あるいはその組み合わせで表示して使用することが​​できます。また、タブセット全体をフローティング ウィンドウ化したり、ドラッグ操作でIDEにドッキングさせることも可能です。これは、ユーザー皆さんから高く評価いただいている機能です。

分割エディタービューについては、David Millingtonのブログ記事が翻訳されていますので、ぜひご覧ください。

夏には、Delphi 12 Community EditionとC++Builder 12 Community Editionをリリースしました。これは、Delphi IDEとC++Builder IDEの新バージョンのフル機能を利用できる無料版です。Community Edition(CE)についてご存じない方のために補足すると、このエディションは、スタートアップ企業、学生、趣味のプログラマーが iOS、Android、Windows、macOSなどの複数のプラットフォームで堅牢かつスケーラブルなDelphiアプリケーションを構築したり、Windows向けに強力なC++アプリケーションを作成するために提供されているものです。

さらに昨秋、RAD Studio 12.2をリリースしました。RAD Studio 12.2 Athensは、バージョン12および12.1で導入された機能をベースとしており、初めてIDEへAIを統合したほか、Web開発用の新しいテンプレートライブラリ、C++ Win64 Clangベースコンパイラとツールチェインの大幅な機能強化、64bitアプリとして構築された新しいDelphiコンパイラなどを提供しています。

12.2におけるDelphi Language Server Protocol(LSP)の主な改善点、メモリ制限をなくし、大規模プロジェクトでよりスムーズなパフォーマンスを提供する64bitバージョンのDelphi LSPエンジンの詳細については、Nuno Castroのブログ記事の翻訳をご覧ください。

また、いわゆるテンプレートエンジンとも呼ばれる、サーバーサイドのスクリプトベースHTMLファイル統合/処理機能WebStencilsも導入しました。WebStencilsの使い方については、 Marco Cantuのブログ記事翻訳をご覧ください。

C++開発者の皆さんは、C++Builder関連TipsをまとめたDavid MillingtonのC++Builder 12.2ブログシリーズの翻訳記事もチェックしてください。


開発ツールのトレンド – 人工知能

2024年には開発者の領域でいくつものトレンドが出現しましたが(2025年初頭のブログシリーズで、さらに詳しく取り上げる予定です)、人工知能(AI)ほど注目を集め、マーケットをけん引したものはありませんでした。2024年、AIは開発者コミュニティのゲームチェンジャーとして登場し、イノベーションを推進し、ワークフローの最適化、生産性の向上をもたらしました。

開発ツール分野での重要性を鑑み、アイデラグループのいくつかの開発ツールブランドにおけるAIサポートについて、少し説明したいと思います。

エンバカデロでは、 12.2リリースでSmart CodeInsightと呼ばれる新しいLLM向けIDE統合機能を導入しました。Smart CodeInsightでは、AIプラグインのオープンアーキテクチャを提供し、すぐに利用できる環境として、3つのオンラインソリューション(OpenAI、Google Gemini、Anthropic Claude)と1つのオフラインソリューション(Ollama)をサポートしています。詳細については、Marco Cantuのブログ記事の翻訳をご覧ください。

RAD Studio 12.2はAI分野への最初の参入であり、今後のリリースで積極的にAI サポートを拡張するべく取り組んでいます。

エンバカデロ以外のアイデラグループ企業の開発ツールに目を向けると、スイスアーミーナイフのような万能型テキストエディタUltraEditが、12月に初のAIサポートをリリースします。新バージョンUltra Edit 2024.2リリースでは、複数のLLM向けのAIチャットボットアシスタント機能をUltraEditに導入する「Pieces for Developers」AIプラグインを導入しました。Pieces for Developersは、Mesh Intelligent Technologiesのサードパーティサービスで、ワークフローアシスタントとして機能し、自然言語分析と対話型AI支援開発を可能にします。この機能は、UltraEditで直接動作し、ユーザーはLLM搭載のAIチャットボットと同じように操作できます。詳細は、こちらのブログ記事をご覧ください。

11月には、アクションベースのダッシュボード、自動分析、データストーリーテリングといった機能を提供しているエンタープライズ/組み込み分析プラットフォームのYellowfinが、2つの新しい人工知能(AI)対応機能「Ask Yellowfin」と「Code Assistant」をリリースしました。Ask Yellowfin は、 Yellowfin の機能の使用方法に関する質問に役立つ回答を提供するべく、YellowfinドキュメントでトレーニングされたAIチャットボットです。Yellowfin Code Assistantは、 Yellowfin APIの使用方法に関する質問に役立つ回答を提供するために、Yellowfinの技術およびAPIドキュメントでトレーニングされたAIチャットボットです。APIを使用するほとんどの言語で、コード例を生成することができます。

開発者がソースデータをビジュアル化できる強力なJavaScript チャートライブラリ FusionChartsは、FusionChartsドキュメントに関する質問に答えるようにトレーニングされたコーディングコンパニオン「Ask FusionDev AI」をリリースしています。

今後の展望

2025年に向けて、多くの素晴らしいイノベーションが計画されています。次に控えているのはRAD Studio 12.3です。現在、エンバカデロの開発チームが全力で取り組んでいます。アップデートサブスクリプションに加入されているユーザーには、12.3ベータ版がリリースされ次第、参加招待が送付される予定です。

ユーザーの皆さんの2025年が、幸多き一年となりますようにお祈り申し上げます。

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